ピラティスの質問はもちろん、ショッピングの話から悩み相談までまっすぐ目を見て聞いてくれる聞き上手。つくり笑顔でもなく同情顔でもなく、いつもニュートラルで安心できます。
「そうですか?! 何も考えていないだけだと思います(笑)。本当は相手がこう考えているんじゃないかと推測したり相手が望むことを言ったりすることができないので、きちんと素直に聞いて自分の思ったことを言うよう心がけています」というケイコ先生。

家ではご主人や息子さんとの間に常に会話があり、話し足りないと思うことはないそうです。

今回の取材についても家族からは「いつもどおり何も考えないほうがいいよ」とアドバイスされたとか。「考えるより先に行動してしまうタイプです。つまらないなら他のことを楽しもうと思うので、ずっと悩み続けることはないですね」。

――自分に正直でいることで人の輪から外れたらどうしようという不安はありませんか? 
「もちろん人と一緒にいるのも好きですが、自分ひとりで遊ぶこともできます。私から誰かに『楽しませて』と一方的に求めることはないし、『楽しませて』より『楽しみたい』という人と一緒にいたいですね」。

ケイコ先生の一日は、朝起きてすぐのショルダーブリッジから始まり、夜のストレッチで終わります。「もともとピラティスが大好きで仕事にしました。私は努力が苦手ですが、ピラティスは好きだから続けられるんです。だから、みなさんにもピラティスを好きになってほしいなと思いますし、その楽しさを共有できれば幸せです。もちろんプロ意識はありますが、ピラティスは私にとって遊びの延長かもしれませんね」。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.18より