ゆるトーク 〜みつけよう、あなたにぴったりのアーユルヴェーダ〜 #134 香りと体、心との関係について
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第134回は、香りと体、心との関係について、Ns ナチュラル&オーガニックの北尾菜保子さんをゲストに迎えてお話しを伺いました。体調や心の状態、過去の経験によって、同じ香りを心地よく感じたり、感じない時もあります。また、香りをかぐことで、その空間にいる人たちの気分が変わることは、歴史的にも利用されてきました。植物の芳香成分は、体や感情の反応につながる仕組みも科学的に解明されています。旧皮質から3つ脳への伝わり方があり…①視床下部へ伝わり、好き嫌い・自律神経に作用する ②前頭葉に伝わり、知的情報とにおいの感覚が統合される ③海馬に伝わり、記憶と結びつく。
自然体でいられる心と体の関係を追求しながら、何事も一歩踏み出す勇気をもち経験することをモットーに日々学びを深めている。
ヨギー・インスティテュート500時間認定
作業療法士国家資格
アーユルヴェーダ学会アーユルヴェーダ・セルフケア・アドヴァイザー
仏教教師資格課程修了
全米ヨガアライアンスコース500時間(RYT500)講師
メディテーション・ベーシックコース(MBC)講師
セラピューティックトレーニングコース講師
シニアヨガ・トレーニングコース講師
ヨーガニードラ・トレーニングコース講師
見つけよう!あなたにぴったりのアーユルヴェーダ。
こんにちは。
ヨガインストラクターのアヤです。
このプログラムでは、
アーユルヴェーダの知恵に救われ続けている、ヨガインストラクターのアヤが、
毎回ゲストをお招きし、健康や美容に関する、
日常に生きる、ちょっと役立つ知恵をお届けします。
進行のサポーターをしているしちさんです。
しちです。よろしくお願いします。
yoggyairのライブストリームでは、アーユルヴェーディックヨガのクラスを
毎週日曜日の朝10:30に私、アヤが行っています。
そして、隔週金曜日の夜20:30にヒロ先生が担当しています。
季節に合わせた体のケアの知識とともに、ヨガで体を動かしていくクラスです。
また、アーユルヴェーダ料理研究家の水野香織さんによる、
アーユルヴェーダキッチンを月3回月曜日の夜19:30に開催しています。
アーユルヴェーダの食べ物やハーブのお話、そして実際のレシピについても、お話しを聞くことができるクラスです。
ぜひ、クラスでお会いしましょう。
-
アヤ
今回は『香りと体の関係』についてゆるトークします。
ゲストは、N’sアロマナチュラル&オーガニック、オーナーの北尾菜保子さんです。
どうぞよろしくお願いいたします。 -
北尾菜保子
よろしくお願いいたします。 -
アヤ
これまで植物について、お話をいろいろ伺ってきたんですけれども。
私たちの身近なところで、香りと心の関係性であったり、 香りと体の関係性というのを、様々なところで言われていたりします。
北尾さん自身ですね、植物と関わっていく中で、 この香りと体・心の関係というものを深められていると思うんですけれども、 今現在どういうふうに、この関係性が成り立っているのかというのをお考えでしょうか? -
北尾菜保子
まず、植物にはそれぞれ香りがあります。
その香りが、その植物の特徴の成分となります。
ローズの香りと、オレンジの香り、ぺパーミントの香りは、 それぞれ違う印象を持ちます。
その日、その時の気分で、同じ香りでも心地が良かったり、 今日は良くなかったりということもあります。
それは、香りを嗅ぐ側の私たちの体調や心の状態、 または過去の経験が関係しています。
また、嗅ぐことで、個人の気分やその空間にいる人の心が変わることもあります。
それは、3000年以上も前から美容と健康に、 または神のことに使われてきたことを見てもわかります。 -
アヤ
確かに、香りとかって特別なものっていう風な扱いですよね、古代は。 -
北尾菜保子
特にエジプトではそういった扱いをしてこられました。
19世紀から20世紀の話にちょっと飛ぶんですけれども、 3000年前から、その後の19世紀までの間の歴史と植物の話もとても面白いんですけど、 今日は、時間の関係で省略して(笑)
19世紀から20世紀の話にちょっと飛ぶと…。
科学や医学が進歩してくると、香りの成分のことが解明されて、データ化される。 それが確証となります。
簡単に言いますと、植物の芳香成分は、 それぞれの成分が体の中に入っていっていることで、 そういう感情なり体の反応が起きるということがわかっているんですね。
植物の芳香成分というのは、鼻の中にある臭毛というもの、それに取り込まれて、 その情報が電気信号になって脳に伝わります。
そこから嗅皮質というところがあるのですが…、 吸皮質から脳への伝わり方というのは3つあるんですけど、 ちょっと専門的な話になっていくかもしれないんですけど、 すぐわからなくてもいいので、 こういった3つの伝わり方があるんだなぁということを理解していただいたらいいかなと思います。
1つは、 扁桃体というところから、視床下部というところ…、 目のちょうど後ろにあたるのですが、その視床下部に伝わるときに、好き嫌いの感情が出る。
で、好き嫌いの感情から免疫とかホルモンとか、自律神経へ作用する。 前頭葉というところにも伝わるんですが、前頭葉というのは、 知的な情報とその匂いの感覚が統合されるところ。
あと、海馬って聞いたことあると思いますが、 そこは記憶と結びつくっていうふうに言われています。
そういった伝わり方があります。 -
アヤ
じゃぁ今ので言うと、視床下部と前頭葉と海馬、この3つにそれぞれ伝わるということですね。 -
北尾菜保子
はい、そうですね。
あと、先ほどの質問でのお話に関係するのですけど。
皮膚というのは、外から異物が入らないような構造になっています。
でも、植物から抽出した100%の精油というのは、分子が小さいほど、 発生的に人が植物と親和性があるので浸透します。
だから、鼻から入っても、さっき言ったように脳に伝わりますし、 皮膚につけたとしても、浸透してくるんですよね。
だから香り成分というのが、 そこで体や心に働きかけるというふうになります。
なんか…分かりにくいですけど、大丈夫ですか? -
アヤ
いえいえい、大丈夫です^^
よく「香り」というと、本能的なところとつながっていくみたいな形で言われていて、 脳に直接作用するというふうなのが、 結構メジャー的なお話なのかなと思うんですけれども、 経皮吸収もする…、皮膚からの吸収もしていくということが、なかなか面白いですね。 -
北尾菜保子
皮膚というのは、外から入らないというふうに言われていて、 無理に入れるために塗り薬とか…、 薬を入れるために合成界面活性剤とかを使ったりとかしますけれども。
普通は、「そうでもしないと入りませんよ」というふうに言われていたんですけど、 実は植物であれば、100%の植物、100%の精油というのは、 皮膚から浸透しやすくなっているんです。
なので、そういった意味では、香りの特徴成分というのが、 体や心にも働きかけるということがあるということです。 -
アヤ
なるほどですね~
よく私、キャンプに行くんですけど、 森の中で過ごしていくのと、 海沿いで過ごしていくのとでは、 やっぱりちょっと気分的なものが変わってくるんですね。
あと体の疲れの取れやすさとか、リフレッシュ感であったりとか。
私は体質的に、森の中に行くと穏やかさとか、 リフレッシュ感というのがすごく高まっていくんですけれども。
それというのはやっぱり森の…、木々の植物の香りといったところを、 微量ながらも皮膚から吸収しているということにつながっていきますよね。 -
北尾菜保子
そうですね。
微量ですけどそういったことはあると思います。
あと、鼻から入るということの方が、森の中の場合は多いと思います。 -
アヤ
なるほど。
結構知らず知らずのうちに、 私たちはさまざまな香りを嗅いだりとか、 皮膚から吸収してたりとかすると思うんですけど、 やっぱりそういう目に見えない働きといったところの影響があるというふうに、 どこか思うと、身の回りに置く香り成分…、 どういう香りを自分の近いところに置いているのか、 もしくはどういう環境で私たちが生活していくのかといったところが、 ちょっと注意深くなったりしますよね。 -
北尾菜保子
そうですね。実はそこはとても大切なんですね!
私はさっき口頭でご紹介がありましたように、 フェスでのボランティアとか、 患者さん経由でもセラピーの仕事をさせていただいた経験があるんですけど、 看護師さんたちから、「香りを作ってください」というオーダーがあるんですね。
それはなぜかというと…、
患者さんによっては、香りが一切ダメになられる時期があるんです。
その時は看護師さんは、シャンプーも石鹸もすべて無香料にされます。
そういった香りのない日が何日も続くと、 看護師さんがストレスの塊になられるんですね。
なので、精神的にちょっと耐えられないというふうになってこられるとまずいので、 そういう時に自分だけが嗅げる…、 ちょっとボトルを開けてちょっと嗅げる、というような、 小さいボトルの香りをお願いしたいというふうに言われることがあります。
それとか、介護されている方とか、ボランティアの方やご家族ですね。
病院を出て、車に乗られる前に、気分を変えたい!リフレッシュしたい! ということで、「スプレーを作ってください」と言われることもあります。
患者様自身にも、寝る前に香りが欲しいと言われることもあります。
そういう風に、香りベースで…気分を変える、空間を変えることができるんですね。
そうすると、それは心にも体にも影響を与えるということになります。 -
アヤ
じゃぁ最初、冒頭でお話しされていた、脳の三か所に作用すると。
その中でも視床下部が発する、好き嫌いの反応、快・不快の反応といったところの、 特に快楽部分のところを補ってくれるような感じなんですかね。 -
北尾菜保子
そうですね。それが一番だと思います。 -
アヤ
なるほど。
そこが快楽成分になってくると、自分自身の幸福感というものが脳の中から発信されて、 体も心も穏やかになるというか、体で言えば免疫が高まっていくとか、 そういうことにもつながってくる可能性があるということですね。 -
北尾菜保子
そうです。
で、今までとは違う香りを、ほんの何メートルしか移動していないんですけれども、 香りを自分の周りに、例えばスプレーとか…、車に乗る前に自分に吹きかけると、 違う空間に来ている。
環境をそれだけで変えてしまうっていう、精神的にそういう気分になられる。 -
アヤ
なるほど~
ということは、またそれは記憶とも関係するということですかね。 -
北尾菜保子
そうですね。 -
アヤ
記憶と感情はつながっていたりするけれども、 その空間の香りを変えていくだけで、 その記憶からのつながりを一旦遮断するということにつながってくるということですね。
面白いですね。 -
北尾菜保子
はい!そうです、そうです。
お好きな香りだけじゃなくて、意外な香りでお渡しすることもあります。 -
アヤ
今までに経験したことのない香りとかっていうのもお渡しすることがあるんですね。 -
北尾菜保子
はい。そのほうが良かったりすることもあるんです。
例えば、悲しい場で嗅いだ香り、辛かった時に嗅いだ香りっていうのも記憶に残るので、 今お辛い経験をされていることご家族はですね、それが記憶に残らないように、 全く違う香りを差し上げる。
お好きな香りではない…、今後あまりご自分が選ばれないような香りを持ち合わせることで、 もう記憶に残さない。
その場で終わり、というような意味合いも持たせることもあります。 -
アヤ
面白いですね。
じゃあ本当に、自分自身と向き合うのが究極的にきつい場合であったりとか、 なんかこう…、もやもやがなかなか晴れない時っていった時には、 今言われたように、今まで嗅いだことのない香りを楽しんでみるっていったところも、 気分転換になったりするんですね♪
海馬に働きかけるところが面白いです! そういう風に香りを使うんだ!っていう風なのがちょっと興味深いです。 -
北尾菜保子
そうなんですよね^^
あと過敏性大腸炎の方…、パニック障害の方ですね。
そういう方って長期に乗っておかないといけない…、 飛行機とか新幹線とかに乗られることがすごく不安なんですよね。
そういう方にも、よく柑橘系のブレンドの香りをお渡しすることが多いんですけど、 気分が明るくなるんですね。 それがお守り的なことになったり。
パニック障害の方だと、いきなり倒れてしまう前に、 その香りを嗅ぐことで、周りに助けを求めて…、 例えば救急車を呼んでもらう時間ができるようにですね。 そういった使い方をされる方もいるし。
それとか…、私たちの日頃の暮らしの中で、 怒りが出てきたりとか、イライラしたりすることって誰にでもあると思うんですけど、 よく言われるのが、そういう怒りを抑えたり爆発をさせないためには、 呼吸が大切ですよね、と言われるんですよね。
ただ呼吸をそういう時に、吸って吐いてっていうのがなかなか難しい方には、 リラックスさせる成分を踏んだ香りのブレンドを3秒吸いましょう!って言うんですよ。
3秒吸うことによって、呼吸をすることと、リラックスする成分っていうことと、 時間を少し経過させるっていうことで、うまく抑えるっていうことができる。
そういうオンとオフを切り替えている。 ということの使い方もできます! -
アヤ
ほんとに追求すれば、香りと体・心の関係が、 さらに魅力的に追求できますね。 -
北尾菜保子
香りと言うと普通、市販の香水という風に思われる方も多いと思いますけど、 香水というのは、その道の専門家によって磨かれた芸術的な香りであるんですけど、 感情には働きかけるんですが、成分は化石燃料由来ですので、 体には働きかけないんですよね。
そのことはちょっと覚えておいていただいた方がいいかなと思います。 -
アヤ
香水のようにすごくインパクトのあるような香りだけではなくて、 やはりその…、自然由来の、そのまま花瓶に挿しているようなお花の香りを嗅ぐというだけでも、 心と体といったところには、ちゃんと働きかけるということになりますね。 -
北尾菜保子
そうです!
お好きな草花・山に行っていただいて、「いい香りがするわ」と言っている、 そういうものでも十分大事ですね。
さっきアヤ先生が言われたように、山の樹毛というか草花というものの中で、 香りをちょっと意識してみる、というとまた捉え方が違うのかなというふうに思います。
それと一つお願いがあるんですね。
化学物質過敏症の方には、香りはですね…、 香水であろうとその繊維の香りであろうとですね、 刃のように感じる時期があります。とても反応するんですね。
で、公の場での香り、公の場に出ていくとき…、 例えば乗り物を乗ったりとか、デパートに行くときに、 強い香りというのは、控えていただきたいなぁというふうに思います。
あと、香り付きの柔軟剤、そういうのは控えていただければなと思います。
ご自宅とか、ご自分の部屋とか、自分のオフィスの机の上とか、 そういう風な香りの使い方をしていただいて、香りをご利用いただけたらなというふうに思います。 -
アヤ
深いです。
ありがとうございます。
今日のお話はいかがでしたでしょうか。
香りと体・心の関係についてお話をお伺いしました。
『香り』というと、すごく特別なものという風に受け止めがちだったんですけれども、 今日のお話をお伺いして、植物そのものからも、 体に作用する成分がちゃんと排出されているし、 そしてその恩恵を私たちも受け取っているということが分かりました。
また、その香りといったところを、記憶とリンクさせて使っていく方法など、 北尾さんからのさまざまなアドバイスもありましたので、 そういう香りとの付き合い方といったところが、 もっと視野を広げて付き合えるようになったんじゃないかな、 というふうにも思います。
日常に生きるちょっと役立つ知恵、次回もお楽しみに♪