ゆるトーク ~みつけよう、あなたにぴったりのアーユルヴェーダ~ #157 幸福学とウェルビーイング
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第157回は、幸福学とウェルビーイングについて、ゲストに幸せを研究している前野マドカさんを迎えてお話しを伺いました。前野さんはEVOL株式会社代表取締役で、一般社団法人ウェルビーイングデザイン 理事、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科付属sdm研究所 研究員でもあります。
ウェルビーイングは、wellとbeingで”いい状態”。自分の心、体、地域と社会がいい状態であること。幸福学やウェルヴィーイングスタディは心理学と統計学を掛け合わせた学問。幸せは、主観的なものとして、これまで哲学や宗教の分野で扱われてきたため、研究対象とされてこなかった。それが、幸福学では、アンケート調査を分析したことで、幸せにはメカニズムがあることがわかり、4つの幸せ因子を導き出したそうです。その4つの因子とは?
前野マドカさんの最新刊 『仕事も人生もスーッと整う 幸せになる練習。ウェルビーイング73の行動リスト』(すばる舎)
自然体でいられる心と体の関係を追求しながら、何事も一歩踏み出す勇気をもち経験することをモットーに日々学びを深めている。
ヨギー・インスティテュート500時間認定
作業療法士国家資格
アーユルヴェーダ学会アーユルヴェーダ・セルフケア・アドヴァイザー
仏教教師資格課程修了
全米ヨガアライアンスコース500時間(RYT500)講師
メディテーション・ベーシックコース(MBC)講師
セラピューティックトレーニングコース講師
シニアヨガ・トレーニングコース講師
ヨーガニードラ・トレーニングコース講師
見つけよう!あなたにぴったりのアーユルヴェーダ。
こんにちは。
ヨガインストラクターのアヤです。
このプログラムでは、
アーユルヴェーダの知恵に救われ続けている、ヨガインストラクターのアヤが、
毎回ゲストをお招きし、健康や美容に関する、
日常に生きる、ちょっと役立つ知恵をお届けします。
進行のサポーターをしているしちさんです。
しちです。よろしくお願いします。
yoggyairのライブストリームでは、アーユルヴェーディックヨガのクラスを
毎週日曜日の朝10:30に私、アヤが行っています。
そして、毎週水曜日の昼12:30にマイコ先生が担当しています。
季節に合わせた体のケアの知識とともに、ヨガで体を動かしていくクラスです。
また、アーユルヴェーダ料理研究家の水野香織さんによる、
アーユルヴェーダキッチンを月3回月曜日の夜19:30に開催しています。
アーユルヴェーダの食べ物やハーブのお話、そして実際のレシピについても、お話しを聞くことができるクラスです。
ぜひ、クラスでお会いしましょう。
-
アヤ
今回は『ウェルビーイング』についてゆるトークします。
ゲストはEVOL株式会社代表取締役や、 一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事をされている、 前野マドカさんです。
どうぞよろしくお願いいたします。 -
前野マドカ
はい!よろしくお願いします。 -
アヤ
お願いいたします。
ちょうど、著書を拝見させていただいて、 すごく言葉がまろやかでですね、 心にすっと染み渡ったのがとても印象的でした。
今回は直接お話が聞けるのを楽しみにしておりました!
どうぞよろしくお願いいたします^^ -
前野マドカ
ありがとうございます!
ぜひよろしくお願いいたします^^ -
アヤ
プロフィールの中にもあったんですけれども、 一般社団法人ウェルビーイングデザインの理事をされているということなんですが、 その…『ウェルビーイング』っていうのは、一体どういうものなんでしょうか? -
前野マドカ
はい!ありがとうございます。
ウェルビーイングって…
皆さんも最近、世の中で耳にするように、 認知が広がってきたと思うんですが、
ウェルビーイングというのは well と being で 『いい状態』という意味になります。
いい状態というのが、どういう状態かと言いますと、
自分の体が良い状態であること、 心がいい状態であること、 そして地域社会がいい状態であること、 この全部を傍観しているのが、ウェルビーイングという『いい状態』なんですね。
よく皆さんが、他にお聞きするのが『幸せ』。
幸せな状態というふうにもご理解いただくんですが、 そこを研究しているのが私の仕事になります。 -
アヤ
幸せを研究されているんですね? -
前野マドカ
そうですね~
『幸せ』を研究してるんですが、 幸福学とかウェルビーイングスタディって言ってるんですけども、 心理学と統計学をベースにした学問になりまして、 今までは『幸せ」というのは、哲学科・哲学者や宗教家に任せて おけばいいということで、研究の対象になっていなかったんですね。
なぜならば、主観によるものが大きくて、 自分が幸せと感じたら、それが幸せなので、 研究対象じゃなかったんですけれども、
1980年…今から40年ちょっと前くらいから、 幸せをアンケートで計れる!ということが、世界的にも研究されていて、 研究が進んでですね、 幸せというのには、メカニズムがあるということが分かってきたんです。
ですから、心身的要因に関するアンケートを皆さんにとって、 そして、それを因子分析にかけて、幸せな状態・心がいい状態であるためには、 どういったポイントが大事かというのを導き出したのが、私たちの研究になります。 -
アヤ
ふ~ん!
それって、アンケート調査っていうと、データを取っていくのも すごく大変ですよね。 -
前野マドカ
そうですね。
でも、データだけは、例えば… 調査機関にお願いして、アンケートを大々的に取るとか。
私たちが幸せな心の状態でいるために大切なのは、 4つポイントがあるということで、 4つの因子という…因子分析した結果があるんですが、 それは、日本人1500人の方にアンケートをまんべんなく取ってもらう、 という形でお願いしました。 -
アヤ
すごいですね!
それはもう年齢関係なく調査をしたっていう感じですかね? -
前野マドカ
いえ、それは、ちゃんと枠組みを決めて、 女性で何十代の方、何名…とか、 分けていって1500人にしてアンケートをとったので… -
アヤ
じゃぁ、その年齢に応じた幸福度っていったところも分かるっていうことですね。
どういうものに対して幸福感を得やすいのかっていったところが、 分かるっていうことですね。 -
前野マドカ
そうですね。
色々な形で、どういったところをピンポイントで取り上げて、調べるかって いうこともできるので… -
アヤ
ん~
なるほど!面白いですね♪
ちなみにその、『幸せ』っていたところを、 アンケートだから比較的、主観だと思うんですけど、 それをどういう風な形でデータとして計っていくんですか? -
前野マドカ
例えばですね、さっき心理学と統計学をベースにしたっていうお話しをしたんですが、 心理学で分かっているのは、 「親切な人は幸せ」とか、「利他的な人は幸せ」とかが分かってるんですよ。
で、それを、アンケートで…
どんな人が幸せかっていうのはもう端的には分かってるんですけど、 それを全部、横串をさすような形で全部まとめて、 統計と言いますか、因子分析をかけて…。
そしたら、4つポイントが出てきて、その4つというのが、 心の状態を良い状態にするために大切な指標になるということが分かったんです。
そちらは、例えば…
「夢や目標を持っている人が幸せ」
それは、自己実現をしていたり、成長を感じられるっていう、 私たちは、【やってみよう因子】という名前を付けているんですね、覚えやすいように。
自己実現の成長の因子なんですけど、 それがある方は、心がいい状態、幸せを感じやすいという状態になるということなんです。
あとは、主体的にいろんなことに関われるっていうことなんですが、 それは4つ分かるんですけど、それをご説明しても良いですか? -
アヤ
いいですか、お聞きして?
ありがとうございます^^ -
前野マドカ
はい!
2つ目は【ありがとう因子】と名付けているんですけど。 つながりと感謝という因子になりまして、 やはり人は、多くの人と繋がっている人は幸福度が高い。
あとは、感謝する人は幸せ、という研究結果があります。
自分の心が満たされてくると利他的になるという研究結果もあって、 これをこの【ありがとう因子】というところにまとめています。
3つ目が、 【なんとかなる】因子。
前向きと楽観という因子なんですが、 色々なことに前向きに取り組める人は幸せであるという研究結果や、 自己受容できている人は幸せであるという研究結果、 様々な研究結果があって、
今、その中の一部しかお伝えできていませんけど、 例えば…、自己受容というのは、
自分のいいところも悪いところも含めて、自分のことを認めている。 これが、【なんとかなる因子】
自分がね、できないこともあるけど、これも含めて私だわって思えるっていうのは、 やっぱり【なんとかなる】に通ずるものがありますね。
あとは、細かいことを気にし過ぎない人は幸せ、という研究結果もあるので、 それを【なんとかなる因子】というところでまとめているんですね。
4つ目が、 【ありのままに】因子
と名付けていて。 覚えやすい名前を付けてるんですけど^^
こちらは、独立と自分らしさ、 人は「自分」というもの「自分軸」とかですね、 自分をしっかり持っている人が幸せ、 人の物差しで左右されない、影響を受けないという、 自分というもの、自分のスタイルを持っているというのが、 やはり幸福度をあげますよ!ということで、 【ありのままに因子】というのがありまして。
人と比べないとかですね、 自分のペースを持って、いろんなことに向き合える、 やっていける方は幸せだ、という因子になります。
あとは自分らしさをしっかり出していけるっていうことですね。
なかなか私たちは、 自分らしさを出すと、迷惑をかけちゃうんじゃないかとか、 わがままにとられるんじゃないかと思って、気にして出せないんですけど、
「わがまま」と「自分らしさ」っていうのは全然違って、 わがままというのは、自分らしさを出していて迷惑をかけてるような 出し方をしている場合は「わがまま」ですけれども、
ちゃんと人に感謝をしながら、第2因子の【ありがとう因子】が しっかりある状態で、人に感謝もできるけれども、 自分らしさっていうのもちゃんと出しているっていう人は、 別にわがままではなくて、ありのままを出せている人、ということになるんです。
どうしても、日本人の方は、ここは低い傾向にあるんですよね。
みんな、謙虚とか控えめの方も多くて、 自分らしさをどこまで出していいんだろう?とか、 空気が読めないって言われちゃうんじゃないかっていう、 固定観念が出来上がっていて、なかなか出せないので、 欧米の人たちはそこががんがん出せる…個人主義な国ですから、 日本はね、集団主義が大きく影響しているので、 そこはなかなか難しいですよね。
そういった、この4つの因子が、それぞれ全部バランスよく高い人が、 心の状態がすごくいい状態であるということが研究で分かっているんです。 -
アヤ
なるほど!
結構ぎゅっと凝縮された感じですね。 -
前野マドカ
そうですね~
でも、お子さんでもわかりやすくて、
「やってみよう」
「ありがとう」
「なんとかなる」
「ありのままに」
ってこれを覚えて、自分がうまくいかない時とか悩んだ時に、 これらを軸にして捉え直してみると、 あ~、何ができてないからだ、もっと自分らしくていいんだ!とか、 やっぱり、色んな人と繋がってるから、応援してくれる人がいるから、 感謝して頑張ろう!とか、 いろんなことにチャレンジするっていうことが、大事なんだ!って、 自分をいい状態にちゃんと持っていくことができるので、 この指標を知っていると、やっぱり自分の心や気持ちをコントロールしやすいと思うんですね。
反対に、自分の部下とか同僚とか、ご家族の中でも、 この4つの因子を使用すると、子供にもちゃんとしたアドバイスができると思うので、 分かりやすくておすすめです! -
アヤ
確かにですね!
なんか、おまじないの言葉みたいに感じました^^
「やってみよう」
「ありがとう」
「なんとかなる」
「ありのままに」
っていうふうに、なんかこう…なんかどこか… トイレの扉とか、一番ほっと落ち着くところに書いておいたら、 そうだった~、これだった~みたいな感じで、なんか心に響きそうですね。 -
前野マドカ
そうですね!
お母さんの中には、この4つを冷蔵庫に貼っておいて、 子供を見て…なんか急にイライラして、叱りたくなった時に、 あ!そうだったそうだった!と思って、 この子は何も言うこと聞かないけど、 これはこの子らしさ…何かを表現しているのかもしれない、とか。
いや、そうは言っても、他に頑張ってることもあるし、とかですね。
何でしょう…
一息置けるような、この自分の感情をコントロールできる、 大事なポイントになってるからありがたい!って言われたこともあるし。
一番印象に残ったお母さんのよくある言葉には、
「明日学校に行きたくない」と…
お友達と何かうまくいかなかったか、理由は言わないんですけど、 行きたくないっていった時に、普通のお母さんだったら、 「いや、何で行きたくないの?」とか「やっぱり学校はちゃんと行かなくっちゃ」って 言っちゃいがちなんですけど、
この4つの因子を貼ってるお母さんは、 「行きたくないんだったら、じゃぁお休みしてもいいんじゃない?」って言ったんですって。
それで、その日はお休みしてたんだけど、 それで気が済んだのか、「次の日からやっぱり学校行く」って言って行ったらしいんですよ。
でも、そこを「えーどうして行かないの?何かあったの?」とか、「学校はちゃんと行かなくっちゃ」 ってもし言っていたら、もっともっとなんかこじれて、長引いてたような気がする、 とおっしゃってたので…、
やっぱり何でしょうね、もっともっと私たち大人もそうですけど、 目の前のことに、狭い視野で見るのではなくて、 大きな視野で見て、長い人生の中で、行きたくないんだったら別に 行かなくても、そんな大した何かがあるわけじゃないのに、 私たちはもう真面目に、きちんとしなくちゃいけない!っていうので、 学校は行かなくちゃいけない、 具合が悪いんじゃなかったら、とりあえず行かなくちゃ!みたいに、 悪気なく親も言ってしまうので、
子供は行きたくないっていうのは何か理由があるので、 まずは、親がそう言う前に、 どうして行きたくないのかっていうのを、せめるのではなく、 なんかこうリラックスさせた時に、どうしたの?とか、 子供の気持ちをうまく聞けるような時があったら聞いてみるし、 まだ言う機会になってなかったら、ちょっと自然の中に連れて行って リラックスさせるとか、違う方法を取るというのも一つの手段だっていうのを、 この4つの因子をちゃんと分かっているとできるんですね。
なので、何でしょう・・・
やっぱり、いい状態に、子供の心も親自身の心も持っていくことができると いうのが、私たちが研究している、幸せの4つの因子になります。
あ、一番大事なことをお伝えしてなかったんですけど(笑)
ウェルビーイングを伝える時には、ウェルビーイングというのは、 自分が心地いい状態、自分が自分でいられる状態というのを『いい状態』というので、 そこをまずは大事にしてほしいんです!
みんな、お母さんだったら、子供のことを最優先してしまったり、 家族のことを優先してしまうと、自分が「いい状態」よりも、 子供が「いい状態」になるっていうことを第一に考えてしまうと、 長続きしないんですね。
それは、やっぱりどこか我慢している自分がいるということになるので、 やっぱりウェルビーイングの考え方って、 一人一人が自分の状態をいい状態にするというのがまず第一にあって、 その後に、そういった人たちが集まって、 じゃあこのチームにとっての一番いい状態ってなんだろうっていうのを考えて、 地域社会にとってのいい状態ってなんだろう?って考えていけばいいんですが、 まずは個人がいい状態なのが大事なんですよ。
そこを、なかなか忘れがちになってしまうというか、 みんなベクトルが外に向いているので、 周りの人のことを考えて、自分のことは後回しになる、 そうするとバランスが悪いので、いい状態にみんながならないんですよね。
ですから、そこは是非、自分のことを整えるっていうのは、 わがままではなくて、お母さんがいい状態だと子供だって安心するし、 結果としていいパフォーマンスで子育てできるようになるので、 安心して自分のことを最優先してほしい。
最優先っていうのは、わがままで最優先しているわけではないのでね。
自分をいい状態に持っていくというのは、いつも常に、第一優先に していただいて良いというのを、皆さんにお伝えしたいと思っています! -
アヤ
素晴らしいですね!
まさに、ヨガをやってる方で、そういう風に子育て中の方とかは、 昼間に来てヨガクラス受けて…、なんか今日朝からすごく 子供のことでイライラしてたんだけど、でもやっぱり自分がこう…リラックスすると、 子供に優しくなれそうな気がする!って言って毎回帰られる方もいらっしゃるんですよね。
まさに今、前野さんがおっしゃってたような形で、 何かやっぱり自分を整えていくっていうことが、 ゆくゆくはそのチームの幸福感に繋がっていくっていうことになるっていうことを、 もう本当に、合点が付きました。 -
前野マドカ
そう^^
ですから、もう大手を振って、 自分の状態をいい状態にするっていうことが、 ひいては自分の大切な人のためになるんですね。
ですから是非、それらは続けていただきたいですし、 一番そこをいつも意識してほしいと思ってます。 -
アヤ
分かりました!
もう心に書き留めておきます。
そして冷蔵庫に、4つの…
『やってみよう』
『ありがとう』
『なんとかなる』
『ありのままに』
っていう言葉を書いて、 私のおまじないの言葉にしていきたいなと思います^^ -
前野マドカ
ありがとうございます^^ -
アヤ
貴重なお話ありがとうございました!
今日のお話はいかがでしたでしょうか?
ウェルビーイングとは何なのか、 そして私たちの幸せとは何かについて、 研究の視点から、前野さんに分かりやすくお話をいただきました。
今回は「幸せ」になる4つの因子というものがあるということで、 その因子を、私たちが実践していくには、 やはり自分自身を整えていくっていうことが大事だよ!ということを お話しくださいました。
私たちが幸せになるためにはどうしたらいいのか、 それはおそらく永遠のテーマにもなってくるんじゃないかなと思います。
こういうことを自分に問いながら、 前野さんの今後のお話もまた聞いていただければなと思います。
日常に生きるちょっと役立つ知恵、次回もお楽しみに♪