ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
未経験者におすすめのクラスに通っています。だいぶ慣れてきて居心地もよいのですが、レベルを上げていったほうがいいのでしょうか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生のステップアップ
私にとって挑戦だったのは、フィットネスの世界からスタジオ・ヨギーに来たときですね。それまでの経験やキャリアを置いて、指導者としての実力を評価していただきました。私のプログラムをビューティ・ペルヴィスと命名し、ステップアップしました。

カテゴリを変えて新しい刺激を
「レベル」というのは人によって基準が違うもの。ビューティ・ペルヴィスでは人間の基本的な機能を取り戻していくことが目的ですから、上級・中級・初級ではなく、ペルヴィス・フローダンス、ペルヴィス・ウォーキングというカテゴリによってクラスを分けています。「すべてが基本動作なのでできる」というところから、基礎がため、または持続させることを目標にしています。

質問にトレーニング論の観点からお答えするなら、慣れによって成果は下降線をたどるということがいえます。そこで、負荷を上げるか、種類を変えて成果を上げるのです。人間の体は慣れることによって変化しにくくなります。時々は違う種目やレベルにチャレンジし、自分に新しい刺激を与えてみましょう。それまで続けていたことを別の角度から見直すことで、みなさんにはもっといろいろな可能性が生まれます。ぜひ新しいカテゴリや次のステップへの挑戦を楽しんでみてください。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生のステップアップ
自分に合ったアプローチを求めて他のスタイルのピラティスを学んだりヨガに触れたり……いつも新しいことに挑戦しようとしたきっかけは、レベルを上げるという意識よりバリエーションを広げたいという気持ちでした。

挑戦して、また戻ってきてもいい
現在スタジオ・ヨギーのピラティスは目的別に「ジェントル」(正確性やセンタリングを高めたいとき)、「コアコントロール」(安定性やコントロール力を高めたいとき)、「フロー」(テンポよくフローで動きたいとき)とピラティスの原則を元にして3つに分かれています。「コアコントロール」と「フロー」にはそれぞれ未経験の方におすすめの「ベーシック」クラスがありますし、じっくり動く「ジェントル」もよいでしょう。

いま受けているクラスに慣れてきたら、他のクラスで違う目的にフォーカスしたり、ベーシックからステップアップしてみても、気持ちや体に気づきが生まれると思います。ぜひいろいろなクラスを体験してみてください。違う目的にフォーカスすることもレベルアップと捉えてみましょう。もちろん挑戦してみて集中できなかったら、また戻ってきてもいいのです。いつも自分の感覚を頼りに動いてほしいなと思います。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生のステップアップ
僕もダンサー時代から同じような経験があります(笑)。今思えば、レベルの高い人たちに交じることに緊張していたようです。クラス後はそんな気持ちも嘘のようで、開かれていた扉を自分で閉めていたと気づきました。

経験を高めたいから次の扉を開く
僕はNYの自宅でよく紅茶を入れます。お湯の沸き加減、茶葉の種類や量、お湯を注いだ後の茶葉の浮き具合、抽出時間……。「真剣勝負」は大げさですが、やはり毎回「より美味しい紅茶を入れたい」とチャレンジし、洗練させることを望んでいます。クラスも人によって参加の動機は違うでしょうが、自分の経験を高めることに意義を見出そうとするのは同じではないでしょうか? 

ヨガに関していえば、足腰が強く安定し、持久力もついてきたと感じればいろいろな扉を開け始めるのもいいと思います。人間は何をするにしても、自分のベストを尽くそうとプログラミングされているように感じます。もちろんクラスのレベルを上げなくても、自分の取り組み方で「質」が高めることも十分可能です。日常的なことから芸術の域に達するものまで、毎回その技術や手順を含むすべての経験を高めたいと思うのが私たち人間の心の働きでしょう。そこによい結果が生まれればもちろん嬉しく、扉はどんどん開くのではないでしょうか?

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.16より