落ち込むことはありませんか? 心をコントロールできないときは、どうしたらいいでしょうか?
先生、質問です! vol.54
Question
私はちょっとしたことですぐに落ち込んでしまいます。先生たちはいつも明るく元気そうに見えるのですが、落ち込むことはありませんか? 心をコントロールできないときは、どうしたらいいでしょうか?
BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生
とことん落ち込んだら「じゃあ明日からどうしようか?」と未来へのヒントを探します。また、プラスのエネルギーを持っている人に会ったり、必ずハッピーエンドでお決まりのDVD映画を観たり、心に栄養をあげます。
悩み抜く“つよさ”は美しい
私は教師生活が長いぶん多くの方々と出会っていますが、誰もがさまざまな不安を抱え、コンプレックスや葛藤する心と共存しているのだなと思います。みなさんから教わることは「悩み、思考することで“つよく”なる」ということです。落ち込んだときこそ“つよく”なるチャンスです。
自分のどんな性質がこういう結果を生んだのだろう?と懸命に思考し、悩み抜いたときに、先が見えてきます。そんな姿に人は美しさを見出します。
一方、不満を常に抱えている人は不調が出やすく、不調を抱えている人は体にも乱れが生じます。つまり、“つよさ”は美しさでもあり、容姿に表れるのです。
だからこそ、ボディワークでは体だけではなく心身の調和をめざします。心のコントロールを失ったら、立ち止まることも大切。自分のことは案外わからない、でも自分しかわからない、いつも矛盾だらけです(笑)。悩み、思考し、向かう方向が見えてきたら歩き出しましょう!
PILATESプログラムディレクター マミ先生
ピラティスと出合って姿勢と気持ちの関係に気づいてからは、姿勢をととのえることによって気持ちをさっと切り替えられるようになりました。これからも姿勢を大切に、心のコントロールに役立てていきたいと思います。
姿勢をととのえて心にアプローチ
生きていると、調子のいいときも悪いときもありますよね。私も落ち込むことがあります。ただ、どんなに自分が落ち込んでいてもクラスの前には必ず姿勢をととのえるので、それが「いつも明るく元気そうに見える」理由かもしれません。
ピラティスは体だけのエクササイズだと思われがちですが、精神と身体とを一体のものとしてとらえています。たとえば、落ち込んで気持ちが乱れているときは、猫背になったり、小さな歩幅でだらだら歩いていたり、姿勢も乱れていることが多いですね。
そこで、ピラティスによってまず姿勢をととのえます。正しい姿勢になると呼吸も深くなり、自然と明るい気持ちに変わっていくのが実感できます。
ピラティスは、体のほうから気持ちにアプローチして、精神状態がよいときの姿勢に導いていくものだと思ってください。落ち込んだ状態から抜け出したいときは、ピラティスを思い出し、自分の姿勢に意識を向けて変えてみましょう。
YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生
いろんな意味で心がダウンしているときは、視野を大きくとり、本当に大切なものが何かを見極めるようにしています。そうすると、「比較的細かい部分」に意識を向けているせいで、心が揺らぐことに気づきます。
ヨガは「心とは何なのか」という旅
私たちは日々たくさんの「ちょっとしたこと」に心を動かされ、迷いがちですね。逆に、その「ちょっとしたこと」に惑わされない「大切なもの」に目を向けてみるとどうでしょう? いちばん大切なのは自分の体 でしょうか? それとも自分らしい考え方でしょうか?
ヨガでは、体や思考を超えたところにある「本質的な部分=自己」の探求を目指します。もちろんその探求をしなくても私たちの体は生き永らえ、機能することはできます。しかし古代から多くの人々が「自分という存在は、時間と共に移り変わる肉体などの物質的な部分だけではないのでは?」という希望をもって、さまざまなかたちで自己を探求する「旅」を続けてきました。
僕がヨガに関わる仕事を志したのも、この「旅」に何ものにも換えがたい価値を見出したからです。
難しいようですが、ヨガは、コントロールしたいと思っている「自分」や「心」とは何なのかという旅でもあります。ポーズで体を動かしているとき、そこで自分の心がどう動いているのか、まずは内面のあり方をみつめることから始めてみましょう。
文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.7より