お悩み:
ヤスシさんのクラスはいつもユーモアたっぷりで楽しいです。私はヤスシさんのようにユーモアがないのですが、どうしたらユーモアのセンスを育めますか? ユーモアのセンスは努力して得られるものでしょうか。

答えのヒント:
クラスが終わると「面白かったです」という感想を耳にすることは事実です。僕はユーモアやお笑いを専門的に勉強しているわけではありませんし(笑)、クラスやトレーニングを面白くしなくては・・・などと考えているわけでもありません。

しかし僕が理想とする学びの場というのは、学ぶ側がリラックスしている状態であることだと考えています。緊張のエネルギーが先行してしまえば、学ぶ側の心が硬くなり十分に頭も働かない気がするのです。学ぶ側の頭や心の動きをスムーズにするためにも、ある程度のほぐれた雰囲気は必要ではないでしょうか?

思い返すと、僕は子供の頃からお茶らけた子供でした。その当時は自分勝手にお茶らけていましたが、大人になってからはその場所に必要かなと思うと、お茶らけたエネルギー(緊張緩和剤)を発してしまいます。空気がピンと張るような凛とした緊張感は好きですが、空気が凍り付くような居心地の悪い圧迫感や威圧感は好きではありません。自分が教える場に圧迫感や威圧感は必要ないと考えています。

「きついポーズの時に笑わせますね」と言われるときもありますが、集中こそして欲しいものの、集中しすぎてご自分を硬くしないように・・・という僕なりの「気遣い」と理解していただけたらなと願います(笑)

ユーモアが色々な場面を救ってくれることも多いと思います。
インストラクターがクラスに入って、緊張したままクラスを続ければ、そこにいる全ての人がなんとなく居心地悪く感じるかもしれません。自分がユーモアのセンスを持つことで、自分が担う仕事(教えること)を全うできますし、その場が学びやすい雰囲気になる気がするのです。

ユーモアのセンスが無い・・・と思うのなら、温かい雰囲気に出来るかを考えてみてください。教えることの内容そのものだけでなく、余裕をもってその場の雰囲気や人の心持ちに敏感になることを試してください。その場の雰囲気が柔らかく、そして温かくなったときにあなたの仕事はスムーズに運ぶのだと僕は信じています。

自分で精一杯になる人というのは、「私は大丈夫かしら」などと自分にエネルギーが向けられているのではないでしょうか? 自分が持てるエネルギーをそこにいる相手に注ぐとき、自分の緊張の為にエネルギーを無駄使いせず、必要とされている自分の役目に没頭できると思うのです。そうすれば、面白くなくても良いと思います。あなたの誠意は伝わると思いますよ。

※今回および次回は、2019年11月4日ヨギーYOGA DAYのプログラム<「Art of living 豊かに生きるスキル」特別編 ヤスシの部屋>で取り上げられた内容に、加筆してお届けしています。

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文 ヨガインストラクター ヤスシ/編集 七戸 綾子