1月、神奈川の海岸で催されていた左義長(さぎちょう)に行ってきた。左義長とは、小正月に日本各地で行われる火祭りのこと。とんど、どんど焼きなど地域によって呼び方が異なり、その年に飾った門松やしめ飾り、書き初めで書いたものを持ち寄って焼くのが習わしだ。

目の前で勢いよく燃えあがる炎に、2歳の娘は口あんぐり。私はというと、熱さにめっぽう弱いものの、火に見入っている時に感じる、自分の中の動物的な部分がじんわり刺激されるような感覚が好きでたまらない。神秘的なハナシに目がないこともあり、「前世の記憶が呼び起されそう〜っ!」とつい鼻の穴がふくらんでしまう。

一方で、行く前から楽しみにしていたのが左義長の火で焼く三色団子(地域の方の手づくりなのかな、とにもかくにも美味しそう!)。2メートル強の竹竿の先に、輪っか状に連ねた団子をくくりつけ、猛烈な熱気と戦いながら火にくべ続ける。これがもう熱いのなんの。これ以上いたら自分の臨界点を超えちゃうなというギリギリのところで、逃げるように撤収。「おだんごー! おだんごー!」と背後で叫び続けていた娘と奪い合うようにかぶりついたら、想定外のぬるさに愕然でした。

なんていう話はさておき。火を見た時に感じる不思議な感覚の話を、ヨガ雑誌の取材でお世話になっているニテャーナンダ・トウドウ先生にしたところ、
「火を見たことで、松田さんの中にある火の要素が活発になって、そういう感覚になったのかもしれませんね」
人間のカラダとココロを構成している五大元素(空、風、火、水、土)とのかかわりなど、興味ぶかい話を教えてくださいました。それは次回に。

写真&文 松田 可奈