ルバーブのジャム
vol.5
と知ったかぶってはみたものの、ルバーブを食べたこともなければ見たこともナイ。お料理一年生のわたしにとっては、果てしなく遠い食材のひとつだったが、つい先日、近所の朝市でルバーブなるものを発見。農家のおばちゃんの「とにかく酸っぱいから、酸味を熱で飛ばして、甘味を加減するイメージね」という、わかったようなわらからないような助言とともに2束をもちかえり、ジャムにしてみた。
ちなみに砂糖の量は、好みでOK。今回教わった15%というのはジャムにしてはずいぶんと少な目だが、ルバーブの酸味を味わうにはこのくらいがおすすめとのこと。砂糖が少ないほど保存性は低くなるが、すぐに食べ切るのなら問題はないらしい。
何でもシベリア原産のルバーブは冷涼な気候を好むため、主に長野と北海道で栽培されているらしい。ちょうど家族で長野にいく用があったので、地域の農作物を売る直売所で真っ赤なルバーブを購入。ルバーブが自生しているという噂を頼りに、里山をうろつきルバーブ探しにもいそしんだ。
それらしき植物を見つけて茎をかじってみたら、明らかに違うような気もするし、ひょっとしてルバーブかも……という気がしないでもない。自分の舌にまったく自信がないもので、横にいた夫に「なあルバーブやんな? ちゃうかな? ルバーブやんな?」と繰り返し聞いていたら、「おれ、ルバーブ知らんし!」とまっとうな一撃をくらう。
自分の中のルバーブ像と違ったため、思わず「ルバーブはどこですか?」とルバーブの前で聞いてしまったが、単に、いろいろな種類があるというだけの話だった。また、直売所の人によると、赤いルバーブのような見た目の鮮やかさには欠けるものの、特有の酸味は緑色のルバーブのほうが強いらしい。
自生ルバーブの話にいたっては、「ないでしょ、このあたりでは見たことないよ~(軽く失笑)」と畑の主。だとしたら、道端でかじったアレは何だったのだろう(毒がなくてよかった!)。ともあれ、すっかり魅了されてしまったルバーブ、来年はじぶんの畑で育ててみたい。
写真&文 松田 可奈