お悩み:
大人になってから新しい友人ができにくくなり、学生時代のようにいろんな価値観を持った人と関わる機会が少なくなりました。 私は大人になってからも様々な価値観の人と知り合い、仲良くなりたいのですが、年齢を重ねるごとにそのハードルが高くなってきました。

ヤスシ先生はお仕事以外の人と知り合ったり、友人になることはよくありますか?

答えのヒント:
学生時代などでは、よく似た目的と年齢という類似点を基に人が集まります。多くの類似点を共有している為、価値観の対比もスムーズに行い易く、お互いが親しい間柄になり易い環境なのではないでしょうか。

新しい環境(職業など)に入ると、一気に人と出会う機会が増えることでしょう。しかし環境に慣れれば慣れるほど、その機会もスローダウンするようです。

ニューヨークに住んでいる頃、「この街では(知り合いは沢山出来ても)友だちができにくい」という感覚をニューヨーカー達は少なからず共有していました。

まわりでは転職、引っ越し、結婚、離婚などそれぞれの人生のイベントが活発で、友だち関係に限らず、人生そのものの新陳代謝が活発だと感じていました。友だちになっても、それぞれが人生のコーナーを何度か曲がると疎遠になってしまうものです。

リアルタイムで何か(仕事や趣味など)を共有していないと、継続的な人間関係を保つのは容易ではありません。言い換えれば、様々な変化の中でも続く間柄が真の友情(お互いに興味を示す関係)なのかもしれません。

知り合い-友人-親友の線引きも特に必要なく、友人関係に新陳代謝があっても当たり前なのかなと感じます。その中では多くの友達と活発に付き合うよりも、プライヴェートな生活を選ぶ人もいる筈です。

僕は人と触れ合うことで確実に何か(人生について)を学べると信じています。あまりにも価値観が異なりなかなか同意できなかったとしても、自分が知らない世界観に触れることはできます。人の背景に興味を持つことをすれば、友達になったり仲良くなったりしなくても、お互いを知ることで世界観が広がり人に共感する心も持てるでしょう。

そのような刺激を求めているなら、現在いるループから時折外へと出る機会を持つ必要があるかもしれませんね。

僕の社会生活は仕事が中心になっている為、そのシーン外で誰かと知り合い、友達関係になる(お互いがそう認識する)という機会は残念ながら少なくなりました。
しかし既に知っているつもりの人と時間を過ごす中で、相手について新たに学び、近しく感じることはよくあります。

このお悩みについて数日間考察してみました。
・人間関係が人生をカラフルにする。
・人に興味を持つことの大切さ。
・人を知るには勇気と心の余裕が必要。

そしてもうひとつの考えにも辿りつきました。
・人間関係を結ぶのに不器用な人もいる。

学校に行かなければならない。
仕事に就かなければならない。
家庭を持たなければならない。

友だちができなければならない。
が、社会が私達に与えるプレッシャーの一つ(「普通にできること」のカテゴリーとして)にならなくてもよいのかなと思います。

友人に関する格言がありました。

「広く好かれれば好かれるほど、深くは好かれないものだ」
by スタンダール

「ある年齢以後になると友人を選ぶよりは、友人に選ばれる場合の方が多い。」
by アンドレ・ジッド

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文 ヨガインストラクター ヤスシ/編集 七戸 綾子