ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
この前、はじめてクラスを受けたのですが、みんな身体がやわらかいのでびっくりしました。私は、本当に身体がかたくて、かたくて……やっぱり向いてないんでしょうか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

キョウ先生の体験談
何人もの生徒さんを見てきて教わったことは、何歳からでもやれば必ずやわらかくなるということ、投げ出さないということです。あまり運動の経験のなかった70歳の女性で、驚くほどやわらかくなった方もいます。できないからやめるのではなく、できるところまでやってみるという気持ちが大切だなあと思います。

気持ちをやわらかく
身体がかたいと思うとき、「ここまで曲がる」「手が床につく」という通り一遍のイメージと比べてしまっていることが多いようです。開脚が180度できる姿を見て、かっこいいなと憧れる気持ちもわかります。でも、身体のやわらかさとは、身体のかたちではなく、質のことです。例えば、前屈をするときに「イタタタタ……」と苦しそうにおこなうのと、「ああ、気持ちいい~」とゆっくりおこなうのとでは、身体の質がだいぶ違います。心の状態も違いますね。ストレスや緊張、コンプレックスが、身体をかたくしてしまいます。かたいから恥ずかしいと思う必要はないんですよ。自分の可動域がどこまでなのかを自覚して、「あ、ちょっと進歩したな」と楽しんでいけば大丈夫です! 気持ちをやわらかく、のびのび楽しく、1ミリずつの変化を見逃さずにみつめていきましょう。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の体験談
私も、身体をやわらかくしたいとずっと思っていました。ピラティスでもだいぶ変わったのですが、出産して1ヶ月休んだときに、すごくかたくなってしまったんです。いくらやわらかい人でも、動き続けないと身体はかたくなってしまう。逆に言えば、自分でかたいと思っている人は、あまり身体を動かしていないのかもしれません。

ゴールよりプロセスを大切に
「身体がやわらかくないから上手にできない」と思ってしまうかもしれませんが、こう考えてみてください。ゴールではなく、できるようになろうとするプロセスに意味があると。エクササイズの精度を上げていこうと練習を続けていくと、柔軟性と筋力がホリスティックに身についてきます。ピラティスでは、柔軟性と筋力の両方がバランスよく求められ、どちらか一方だけを練習しようとしても、エクササイズをおこなうことはできないんですね。初めは思うようにできなくてもいいので、モディフィケーション(初心者向けに簡単にしたやり方)から始めてみましょう。できるようになった頃には、バランスのとれた身体に変わっているはず。身体がかたい人はやわらかく、腹部の弱い人はしっかりしてきます。身体がかたい人、筋力がない人ほど、やってみてほしいと思います。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の体験談
NYのダンス学校の生徒時代にヨガにめぐり合いました。ヨガの神秘的な部分に惹かれたのと「身体をやわらかくするため」に始めましたが、それ以来いろんなものをヨガから授かりました。効果的な方法論に沿えば身体は確実に変わるようです。僕自身、地道なプロセスに取り組むのも楽しいと思えるようになりました。

人の身体は十人十色
往々にして生まれながらに柔軟性のある人は、関節部分が不安定になりがちで、そのためケガをすることも多いようです。うらやましく思える柔軟性がある人も、関節部分を守るべく筋力が必要なのです。また、骨や関節部分の形状も関係しますから、人と同じヨガの練習によって同じ結果が得られるとも限りません。人の身体は、十人十色。そこに個々の美があるのではないでしょうか。では、個々の美の奥には? 「わたしたち」は形をもちながらも、それを超えた存在でもあるのです。形のある部分の多様性を認めながら、形にとらわれない-大いなる自己-はみな同じであることを認識する。ここにヨガのもたらす大きな意味があると信じています。形ある部分とそれを超えた部分、両方に光を当てたいものです。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.5より。