ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
いろいろなクラスに参加していますが、ヨガ、ピラティス、ビューティ・ペルヴィスってどう違うんでしょうか? なんとなく雰囲気が違うなとは思うのですが……もともとは何だったんでしょうか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

キョウ先生にとってのビューティ・ペルヴィス
私にとっては自分そのもの。体について学ぶことを通して「人間学」に取り組んできた、これまでの集大成です。健康と美容は切り離せないものであり、中庸を求める道は健康美にも通じると確信しています。

健康で、美しく生きる
私は、体育教師、フィットネスインストラクターなどの仕事を通じて、健康になるための指導を長年続けてきました。ところが、運動は体にいいはずなのに激しいスポーツでケガをしたり寿命を縮めたりしている人もいるということに気づき、年齢に関係なく誰にでも安全にできて短期間で確実に成果が出る方法は? 健康で美しく生きるには? というテーマを追究するようになりました。

20年ほど前から整体や筋膜療法などを学び、経験と試行錯誤を重ねましたが、たとえば競技前のストレッチが今やタブーとされているように、体によいとされることは日々進化しています。そのような状況のなかで普遍的な身体観を求め、体の土台となる骨盤に注目しました。そして、骨盤からの全身骨格調整、筋膜調整を主体としたメソッドとして誕生したのがビューティ・ペルヴィスです。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生にとってのピラティス
私にとっては、「毎日を気持ちよく過ごすためのメソッド」。姿勢が改善され、体を楽に使えるようになってきました。年齢、性別に関係なく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させてくれるものだと思います。

身体と心をコントロールする
ドイツに生まれたジョセフ・ヒューバータス・ピラティス氏は、とても体の弱い少年でした。彼は、ボクシング、ボディビルディング、スキー、ダイビング、体操など学び、やがて筋肉図のモデルやサーカスのパフォーマーをするほど健康的な体を手に入れました。そうした体験をもとに考案したのが、体と心をコントロールする「アート・オブ・コントロロジー」という名前のメソッドです(のちに「ピラティス・メソッド」として広まるようになります)。

第一次世界大戦中には、抑留されながらも負傷兵のリハビリにあたり、寝たきりでもできるエクササイズとして発展しました。その後ニューヨークに移住し、ダンサーたちに指導するようになりました。現代では、マドンナ、レディガガなどセレブの影響で広く一般的に知られ、新しい流派も生まれていますが、ピラティスの原点は「コントロロジー」にあるといえるでしょう。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生にとってのヨガ
「自分はどのように生きたいのか?」と考えているうちに、すでに始めていた「ヨガ」に答えを見出したようです。自分にとって自身を高める生き方は、ヨガのそばにいることだと改めて思いました。

自分とは何かを探究する
インダス文明の頃に、今でいう「ヨガ」らしきものが始まったとされています。衣食住が安定したことで、人は「自分とは? 生きるとは? 真の幸せとは?」などと考えあぐねたのではないでしょうか。それがヨガの始まりで、後に哲学として確立されたのでしょう。そして中世期には、体からのアプローチであるハタヨガが生まれ、近年急成長しました。

現在に至るまでさまざまなヨガの学派が生まれましたが、私たちは体のみの存在ではないという考えは、すべてに共通しています。よって目的やスタイルの違いはあるにせよ、「ヨガ」という名がつく以上「自分とは?」に何らかのヒントをもたらしてくれるものであるべきです。難しく聞こえますが、ヨガのクラスでは「自分の源らしきものに返る」感覚を得ると思います。ヨガの大きな目的は、すぐその先にあるのだといえますね。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.11より