ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
よく体のゆがみは体調不良の原因になると聞きますが、私もゆがんでいるような気がします。体のゆがみをなおすには、どうすればいいですか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

キョウ先生のゆがみ対策
ゆがみが大きくなると、どこかに痛みや不具合があらわれ、不快な状態に……そのシグナルを見逃さないようにしています。みなさんとクラスでおこなっているペルヴィスのメソッドは、私自身のゆがみ対策でもあります。

「集散」のバランス感覚を養う
日常のなかで左右前後シンメトリーに動くことはほとんどないように、私たちの内臓の位置も形もシンメトリーではないのです。両手両脚の形も、顔の左右も。ケガをしている場合や補助器具を使っている場合も同じように、それぞれの状況のなかで私たちは調和を保ちます。実にみごとにバランスを保とうとするのです。

私たちの体は「集」と「散」を繰り返しているといわれています。たとえば、熱や風邪ひきなどの状態が「散」です。また、気持ちがうっ積すると(集)、おしゃべりやカラオケで発散するなど(散)、心もどこかでバランスを保ちます。温泉に行きたいな、旅行に行きたいな、なんて思い始めたら、心身のゆがみサインかも?! ゆがみも千差万別、その人の愛すべき個性のひとつだととらえています。「集散」を繰り返す習性をいかして、上手に波にのるようにバランス感覚を養いましょう!

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生のゆがみ対策
姿勢は毎日の積み重ねなので、横座り、脚の組み方、かばんの持ち方などを左右交互にしています。また、ベビーカーやキッチンを自分の体に合わせて選ぶなど、日常生活の中にピラティスを取り入れる工夫をしています。

ピラティスでゆがみに気づく
「ゆがみ」の定義はいろいろあるかもしれませんが、ピラティスの場合は、背骨や骨盤がニュートラルポジションからはずれてしまってアンバランスな状態のことですね。原因としては、体の動かし方のクセや行っていたスポーツの影響も考えられます。生活が姿勢にあらわれます。多くの人が同じ筋肉ばかり使いすぎていたり、伸ばしすぎていたりしますが、それに気づかない場合がほとんどです。気づかないうちにアンバランスな姿勢や体の動かし方に慣れてしまうと、いま生活に支障がなくても将来的にケガをしやすいなど影響が出る可能性はあります。

ふだんの生活ではなかなか気づきにくい「ゆがみ」ですが、ピラティスのクラスでは、前後左右バランスよく動けないということをきっかけに気づく方が多いみたいですね。同じエクササイズでも練習を重ねていくと精度が高まり、自然にバランスがとれるようになってきます。その変化を楽しみに、コツコツ練習を続けてみてください。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生のゆがみ対策
自分の練習は、左右の不得意な側から始めるようにしています。興味深いのは、不得意なほうのアラインメント(身体外部の位置づけなど)が正しい場合があるということ。やりやすい=正しいではないとわかりました。

少々のゆがみは誰にでもある
利き手、利き足や利き目などがある時点で「不釣合い」は生まれているものですから、「ゆがみ」にまったく無関係な人はいないでしょう。だからといって、利き手ではないほうの手を一生懸命に使おうとする必要もないですね。では、どのような場合に注意すればいいのでしょうか? 

健康的な姿勢からはずれ、日常生活に支障を及ぼすようでしたら、それは正す必要のある「ゆがみ」です。もちろん、事故や疾患などによるシリアスなケースもそうです。その場合は、必ず専門医にアドバイスを求めてください。逆に、痛みや不都合がなければ、「少々のゆがみ」をもちながら不思議なバランスがとれているとも考えられますね。ゆがみを正すには、体の片側だけを酷使していないか、スポーツなども含めてふだんの生活習慣をまず見直してみましょう。体を左右対称に使うヨガやピラティス、ビューティ・ペルヴィスは、体のバランスを保つには最適なアプローチだといえますね。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.10より