寒いときはクラスで靴下をはいてもいいのでしょうか? ヨギーで冷え症を治すことはできますか?
先生、質問です! vol.57
Question
クラスの前後や後半など、運動量が少なくなるとすぐに手足が冷えてしまいます。寒いときは靴下をはいてもいいのでしょうか? ヨギーで冷え症を治すことはできますか?
BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生
激しい運動をしていた頃は、たくさん発汗する種目でも手足が冷えていました。体温などを一定に保とうとする体の働き=ホメオスタシス(恒常性)に注目し、現在のようなメソッドを取り入れたことで冷えが解消されました。
自分の冷えに応じた温め方を
動きの妨げにならなければ靴下を履いていても大丈夫ですよ。急性の冷えや極端に症状が出ている場合には、重ね着などで外側から温めることも確かに有効です。
ただし、常に外側から温め続けていると自発的な熱を生産できなくなります。温めすぎると熱を発散しようとして冷やす体になりますから、慢性的な不調や体質改善には逆効果。冷えが改善されてきたら少しずつ薄手の靴下にし、最終的には素足をおすすめします。
また、体の冷えがある方は耳が硬い傾向がありますので、もみほぐしましょう。耳は全身の血行不良と関連の深い部位でもあり、冷えている人ほど痛いのです。さらに、足指の冷えの急処をケアし(第3指と第4指の間をしごく)、冷えの種類に応じて足湯・脚湯・膝湯を行います。冷えの急処とは、全身を効率よく温めるためのツボのようなもの。
体に本来備わっているホメオスタシスの力をうまく引き出し、寒暑風湿に適応できる体を目指しましょう。
PILATESプログラムディレクター マミ先生
昔は手足が冷えやすく、子どもの頃はクラスで一人だけ霜焼けになっていました。積極的に運動するようになって体が温まりやすくなり、ピラティスに出合ってさらに変わりました。今では体を少し動かすとすぐ温まります。
体幹から温め、手足の先まで意識して
ピラティスのクラスでは靴下について特にお知らせしていませんが、足指を動かすエクササイズや片脚立ちなど素足のほうがやりやすい動きもあります。やりやすいだけでなく、手足の先まで意識を向けてよく動かしたほうが、体も温まりやすくなりますよ。
たとえば腕を伸ばすときに指先一本一本まで意識して伸ばそうとすると、指先まで血流が促進されますし、体の隅々まで効率よく使うために体幹の安定も求められます。もちろん指先を意識するだけでなく、体幹の内側から全身をコントロールしようとすることが重要です。
深層筋に働きかけて体幹をしっかり使っていくと内臓も温まりやすくなり、体の内側から末端へと温かさが伝わっていきます。特に子宮は位置が近いですから「生理痛が楽になった」「妊娠しやすくなった」などの声もよく聞きます。
冷えがつらいのはクラス中だけではないでしょう。ピラティスで学んだ姿勢や呼吸をぜひ日常生活にもいかしてくださいね。
YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生
NYのアパートは暖房が完備されているため、屋内で困ることはほとんどありません。また、朝のヨガで体のヒーターがONになり、手足の指先まで温かくなります。一日中寒さ知らずで、とてもありがたいと思っています。
裸足でも熱を作り出せる体へ
マットの上では、基本的に裸足のほうが滑ることなく安定感が増します。最近では滑り止めつきの靴下(指なし手袋も!)もありますが、靴下の外側が滑らなくても足裏が靴下内で滑り、クッション性が増すことで床を感じ難くなります。座位や仰向けのポーズでは問題ありませんが、足裏に体重がかかるときは理想的とは言えません。
とはいえスタジオの床はエアコンでは温まりにくく、慢性的な冷えにお悩みの方にとってはつらいでしょう。クラス前や後半などは、靴下や上に羽織るものを用意されることをおすすめします。
また、朝起きてすぐ白湯を飲む習慣をつけてみては? 僕も試しましたが、体温が早く上がる気がしましたよ。そうした対策もとりながら、クラス中は太陽礼拝や立位のポーズなど“大きな”動きを呼吸とともに意識しましょう。下半身や腹筋群が活性化され、全身の血流がよくなります。
練習を重ねるうちに、内側から熱を自家発電できるような体になっていけるといいですね。
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文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.23より