「むくみがとれた」「右脚と左脚の長さが違っていたのに、そろった!」など、クラスの最中にも変化を実感しやすいと人気のビューティ・ペルヴィス。これまでビューティフェスタ(現b-i festa)などでゲスト講師もされた専門家のお話から「骨盤」「整体」「筋膜」の3つのキーワードに注目しました。

骨盤

「ペルヴィス」とは、英語で「骨盤」のこと。

ビューティ・ペルヴィスは、仰向けになってねじったり、ごろごろと左右に体を転がしたり、誰にでもできる簡単な動きばかりですが、その目的は骨盤を中心に全身を調整することです。

「体にとって、骨盤は大変重要なパーツです。骨盤を体の中心と捉え、そのゆがみをとり、日常動作の偏りを改善することが健康の鍵です」と、スポーツドクターの寺田壮治先生。

現代の生活では、運動不足で椅子に座っている時間が長く、骨盤のゆがみが生じやすくなっています。特に女性の場合は、生理不順など不調の原因になるばかりでなく、ボディラインにも影響します。

ビューティ・ペルヴィスが効果的なのは、女性の美しさの源ともいえる骨盤に焦点をあてているからこそ。日ごろから骨盤を意識してみましょう。

整体

足の指をぐるぐる回したり、わき腹をつまんではじいたり、ビューティ・ペルヴィスのクラスではちょっと変わったテクニックもおこないます。先生たちが話してくれる日常生活のアドバイスや体についての東洋的な知識に、目からウロコが落ちることもしばしば。これらは整体などの考え方に基づくものです。

季節が変わるごとに私たちの体も変わってゆきます。それについていけない体は、風邪や中毒、腰痛や精神的不安など、思わぬことに陥りやすいのです」と、中心感覚研究会で“調息整体法”を指導されている藤本栄先生。

また、「骨盤にきく」で著名な片山洋次郎先生のもと、ビューティ・ペルヴィスのクラスを実際に体験してくださった整体師の片山克之先生は「季節や環境に応じた内容や一人ひとりの呼吸のペースを保ちながら行う操法など、個人の体癖まで考慮されたプログラムであり、人間の自然治癒力を高めて本来の機能を取り戻す特異なメソッドである」とのコメントを寄せてくださっています。

筋膜

手のひらで圧力をかけながら、ふくらはぎをねじったり、ヒップを引き上げたり……。ビューテイ・ペルヴィスの筋膜ストレッチは、筋膜療法のテクニックを応用し、誰でも手軽にセルフケアできるよう考案されたものです。

筋膜とは、筋肉・血管・内臓など体のあらゆる組織を区切っている結合組織の一種。理学療法士・解剖学講師の中井真吾先生も「今、興味があるのは筋膜です。医学的には、ただ筋肉を包んでいるだけのものだと思われていた筋膜が、実は肩こりや腰痛などの改善に重要な鍵を握っていた、ということが最近わかってきたんです」と、その可能性に注目しています。

体のパーツを本来の機能や位置に戻すためには、筋膜が本来の形を取り戻すのが先。筋膜ストレッチで質のよい弾力性を取り戻しましょうね」とkyo先生。

また、ビューティ・ペルヴィスの筋膜ストレッチは、手のひらで圧力をかけますが、“マクロ美マッサージ”を考案された美容家の瀬戸口めぐみ先生(Koh Gen Do)によるとフェイスケアも「指先ではなく、手のひらで均等に圧をかけることがポイント」とのこと。

手のひらなら、ツボのように場所をまちがえることもなく、同時に肌のコンディションも把握でき、誰でも確実に続けられますね。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.8より