ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
クラスでよくポーズや動きを直されてしまいます。自分なりに気をつけているつもりなのですが、どうしたらちゃんとできるでしょうか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生の場合
私はアジャストしてもらうと緊張するタイプ。期待に応えようとついがんばってしまいます。無理せず自分の力を発揮してもらうにはどうすればよいか、指導者としては熟練した高度なテクニックが必要だと思っています。

自分の力を発揮してほしい
もちろんケガにつながるような場合などはすぐに対処しますが、アジャストメントはしないというのがビューティ・ペルヴィスの基本的な方針です。それは、「強く、美しく、しなやかに」というビューティ三原則にもつながりますが、できるだけみなさんに自分の力を発揮していただきたいからなのです。

また、人には気の相性があります。クラスのように限られた時間で触れ合う場合、相性が合わないとプログラムの効果より心理的な抵抗が大きくなってしまうこともあるため、アジャストやペアワークに関しては慎重なのです。

もちろん相手を受け入れるという気持ちを育て、その空間にいるみんなと感動を共有し合えるというよさもありますね。アジャストされたときは、よりよい方向へ導いてくれたのだととらえてみては? 指導者はよく動けている人に「もっと」という期待の気持ちで向かうことも多いのですよ。「可能性を引き出すサポート」だということを忘れないようにしたいですね。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の場合
私もよく自分のトレーニングとしてレッスンを受けますが、指導者に手を添えてもらうと今の自分の状態を客観的に知ることができますね。また、「私の手まで動いて大丈夫ですよ」などのサポートは安心できます。

より意識を高めるきっかけに
アジャストメントの基本は、その人が動きやすいように道標をつけてあげることでしょうか。
指導者によってさまざまなスタイルがありますが、強い力を加えるというよりは、安全な姿勢や正しい動きの方向をサポートし、気づきを促すような触れ方が多いと思います。

たとえば、ロールアップが難しい人は少し背中に手を添えてあげるだけで正しく筋肉を使うことができますし、肩に力が入りやすい人には肩甲骨に触れて余分な緊張に気づいてもらうようにします。下腹部をへこませる手つきをするなど、体に触れずにジェスチャーで示すこともありますね。ひとりにアジャストをすることで、みなさんが気づいてクラス全体のアジャストになる場合もあります。

いずれにしても、間違いの指摘というより、安全にエクササイズの精度を高めてもらうためのガイドです。もしアジャストメントの意図がよくわからなかったときは、ぜひインストラクターに質問してみてくださいね。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の場合
僕が生徒としてアジャストメントを受けるときは、間違いを指摘されているというより、助けてくださっていることに感謝しています。逆に僕がティーチングをするときは、みなさんの努力に触れ、感嘆することが多いのです。

修正というよりプレゼントのようなもの
アジャストメントの目的は、第一に安全性を確保すること、第二に生徒さんの可能性を最大限に引き出すことだと考えています。言葉だけで説明できる比較的シンプルなこともあれば、正しいアラインメントや筋肉の使い方など、体に触れたほうがわかりやすいこともあります。もちろん体に触れられることに抵抗があれば、遠慮なくインストラクターに伝えてください。

また、より質の高いアーサナの体験をしていただくために、ペアワークに発展することもあります。参加者同士で助け合うことで、難度の高いアーサナに挑戦したり特別な筋肉の使い方を理解したりしやすくなります。ときには、人を助けることに対して自信がなかったり負担に感じたりすることもあるでしょう。でも、その背景にあるのは「みなさんをより輝かせ、経験を高めてもらうには?」という想いです。

アジャストもペアワークも、相手へのプレゼントのようなものだととらえてみてはどうでしょうか。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.14より