ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
普通のクラスより深く勉強してみたいと思うようになりました。インストラクターになれたらいいなという気持ちもあるのですが、好きなことを仕事にするのは大変ですか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生の決断のとき
器械体操や新体操の経験を活かそうと思い、保育士から体育講師になりました。人間の成長と発達、衰えまで追究していくうちに、子どもへの指導から大人への指導を経てビューティ・ペルヴィスの開発に至りました。

「先生」はゴールでなくスタート
どんな仕事もそうかもしれませんが、大変かと問われたら大変です(笑)。好きなことを仕事にする難しさは、自分の好きなものを人も同じように好きだとは限らないというところにあるのではないでしょうか。

先生は読んで字のごとく「先に生きる」立場ですから、意外と孤独な一面もあります。誰よりも学んで専門性を高めると同時に、広く世の中のことを知らなければ自分の立ち位置を見失ってしまいますし、知識や経験だけでは人の心は動きません。

また、ビューティ・ペルヴィスの指導者は「強く、美しく、しなやかに」という三原則をリーダーとして自ら体現することが求められます。先生になっておしまいではなく、そこがスタート。でも、だからこそ人に影響することや自分を磨くことにすべての時間を費やせる、とてもありがたい仕事です。教えながら学ぶことも多く、私は日々進化してゆく生徒さんの姿を見るのがとても嬉しい、やりがいのある仕事です!

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の決断のとき
最初からインストラクターを目指していたわけではなく、もっと深く勉強したいと思って養成コースを受講しました。修了後のオーディションに合格したことがきっかけで「やってみようかな」という気持ちが生まれました。

一歩踏み出すと適性が見えてくる
指導者になってみて気づいたのは、ピラティスで動くことが好きなだけではなく、人と関わることが好きな人の仕事なのだということです。私の場合は人と話すのが好きで、みなさんからフィードバックをいただいたり喜んでいただけたりするのが本当に嬉しいですね。時にはうまく伝えられずに考え込むこともありますが、また次のクラスに集中することで前向きになります。

指導者としていかに集中できるかは、自分がこの仕事を楽しみながら続けるためにも大切です。集中するにはレッスンの60分だけでなくその前後の時間の使い方、みなさんの体調の把握、クラスの大まかな流れなどをトータルで考える必要がありますし、自分の体調を整えたりスキルを磨いたり、ある意味では常に仕事をしているといえるかもしれません。そこが大変な面ではありますが、何事もやってみないとわからないもの。

まずは勉強してみてほしいなと思います。そこから次が見えてくるのですから。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の決断のとき
ヨガを通じて素晴らしい先生方に出会ったときに「この方たちのように生きたいなあ」と憧れのようなものを抱きました。自分の在り方を常にみつめられる生き方だと直感的に思い、将来指導者になることを意識し始めました。

人と分かち合える喜び
初対面の人に職業を告げると「いいですね。常にリラックスしているんでしょう?」と言われることがあります。僕はここぞとばかり「他の人と同じように感情の起伏もストレスもありますよ」と答えます。社会の一員として積極的に人と関わって生きるわけですから、葛藤もあれば義務や責任もあります。

ではなぜ生徒ではなく指導者としてヨガを続けるのか? 指導者にならなくても人生の意義を考えたり自分の在り方をみつめたりできますが、それを指導者という立場を通して人と分かち合えるのには格別な喜びがあります。そして、生徒として学ぼうとすればするほど教える役目が向こうからやってくることもあるのです。

TT(ティーチャー・トレーニング)は指導者を目指すという目的のトレーニングでありながら、それ以上の宝が詰まっていると思います。人生にはさまざまなチャレンジがつきものです。できることなら自分の興味があるエリアでチャレンジし続けたいですね。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.17より