マントラを唱えるときは、108回を1マーラとして数えるそうです。そのとき、108個の玉でできているマーラを指で繰りながら数を数えます。でもなぜ、マントラは108回唱えるのがよいとされているのでしょうか? ヨガインストラクターのリー先生に聞いてみました。

私のサンスクリット語の祈りの言葉の先生のMedha Michika(ミチカ)さんに、尋ねてみました。マントラを唱える時は、その意味や、発音などを充分に大切に扱うように学んでいます。彼女は、インドの伝統的な哲学であるヴェーダンダを伝えるダヤーナンダ・アシュラムで、恩師スワミ・ダヤーナンダ・サラスヴァティの使命により、世界中の生徒にヴェーダーンタとサンスクリットを教えながら執筆活動を行っています。

Medha Michikaさんによると、「108ですが、昔プージャスワミジ(恩師スワミ・ダヤーナンダ・サラスヴァティ)に誰かが質問したことがあって、その答えはこうでした。『サンスクリットの文字は、全部で54個とする数え方をすると、最初のAから終わりのMまでを往復して一周すると、2倍の108になる。つまり、108の中に、言葉の全て=知識の全て=この世界の表れの全てがある』ということでした。

でも、100だったらだめなのか、とか24じゃ足りないのか? という訳ではありません。数字自体に真理はありません。自分と世界は離れた存在ではない、という理解に導いてくれることが、どんな数字であれ、どんな言葉であれ、意図するところなのです。

マントラの言葉には意味があり、それを知ることのほうが大事なのですよ。」と、教えてくれました。

私は以前インドで、彼女の計らいで、スワミ・ダヤーナンダ・サラスヴァティ師とお話しした時のことを思い出しました。伝統的な教えを伝える師が、「最も大切なのは、今だよ。」と、満面の笑みと、力強い声で伝えてくれました。

たった今に、その深い意味と、ヴァイブレーションに心を寄せて、マントラを唱えることが最も大切です。だから、心を込めすぎて、唱えている数が分からなくなってもがっかりしないでくださいね。

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|リー先生とハンドパン奏者久保田リョウヘイ氏による特別プログラム
ハンドパンの響きに包まれながらヨガする至福 ~香音浴・スペシャルバージョン~
今年、FUJIROCK FESTIVALに出演した注目のハンドパン奏者・久保田リョウヘイ氏を迎えて、ゆっくりと流れるようなヨガの動きから、チャクラを刺激して五感を楽しむヨガ・ワークショップです。
2019年11月03日 (日)  香音浴・スペシャルバージョン 場所:スタジオ・ヨギー横浜

協力 Medha Michika/文 ヨガインストラクター リー/編集 七戸 綾子