アーユルヴェーダではどんな食事がいいのでしょう?
みんなのヨガごはん
第一の絶対的な条件は、喜びや満足感が得られること。食べて「あー、おいしかった!」っていう満足感が得られるのが、食事の効果・効能なのね。
本来、自分の食べたいものは自分に必要なものだから、それを食べるのが一番いいの。だから、ベジタリアンでなくてもいいんです。アーユルヴェーダでは、特に肉食禁止とは言いません。でも、体の声を聞かないで食べてしまうことがあるから、制限がする必要が出てくるわけです。
体の声を聞いて正しく食べることができたときは、お腹があまり苦しくなくて、心も満たされた感じがします。
食べすぎたり、不規則な食べ方を続けたりしていると、だんだん感覚が鈍くなって、正しい食べ方ができなくなってしまいます。
そうならないようにするには、体の声を聞いて、落ちついて考えられたらいいんですよね。かっこよく言うと、ヨガで自分と向き合うこともそう。
アーユルヴェーダの場合は、普段から季節や自分の状態にあわせてバランスをとるような食事と生活を心がけます。たとえば、イライラするなと思ったら、それは火のエネルギー「ピッタ」が増えていると考えて、ピッタを鎮静する甘いものを食べるとかね。勉強するとおもしろいですよ。
落ちついて、自分が今何を食べているのかを確認しながら食べる。
命を提供してくれたもの、作ってくれた人、働いた自分……すべてに感謝しながら食べる。そうすると、無駄な作り方も食べ方もしないし、本当に必要な食べものや量が見えてくるはず。ニュースやスマホを見ながら食べると、消化力が下がってしまうので、ながら食べは禁止です。
アーユルヴェーダでは、「体の中にいるアグニ神にお供えものをするように食べなさい」と教えられます。
食べすぎないようにするには、いつもいつも体の声を聞くこと。目や脳じゃなくて、胃腸に聞くの。「これ、本当に食べたい?」って。
もし食べすぎてしまったら、次の日も体の声を聞いてみること。お腹はいっぱいでも口さみしいというときは、味の偏りがあるかもしれないですね。
アーユルヴェーダでは食事に「甘・辛・酸・塩・苦・渋」の六味を使うようにいわれています。たとえば、和食だと最後にお茶を飲んで「渋」を入れて締める。六味がそろっていれば、感覚が満足するから少量でよくなります。ダイエットのためにも六味は必要です。
取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.11より