読者の方々から届いたインストラクターへの質問のなかから、特に多かったものをご紹介。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
クラスを受けていると、どうしても周りの人たちのペースにハマりがちです。自分のペースを崩さない工夫はありますか?

Answer
人の視線が気になるというよりも、自分が周りの人を見てしまう……そんなこともあります。

はじめてのクラス受講の場合は、動きがよくわからず、ほかの人たちの動きを参考にすることは、悪いことではないです。

クラスにも慣れ、自分のカラダの動きの勝手が分かってきたなら、自分のペースで集中したいもの。しかし、そうもいかず、周りの人のペースになってしまいそうなときは、どうしたいいか、インストラクターに訊いてみました。

ピラティス ノブオ先生

「耳はインストラクターの声にしっかりと傾けて、目は部屋の天井や壁を見つつ、青空や夜空、緑の草原のなかにいるような想像力を働かせて、そこにいるイメージするといいですね。

何かをじっと見てしまうと、そこに囚われがちです。“もう視覚は使わない”くらいの感覚で、耳からのインストラクションだけを頼りに、気持ちいい空間にいるんだと想像力を働かせて、自分のカラダに意識を持っていきましょう。

エクササイズによっては鏡を使うものもありますが、僕自身は、鏡もいらないと思ってます。鏡があると、たとえば自分の右腕を意識するべきところを、鏡に映った自分の右腕を見つめることに意識がいってしまうからです。」

ヨガ ハッチ先生

「簡単なものだったり、ご自身が分かっていて不安がないポーズや動きだったら、『目を閉じてみる』のがひとつよい方法だと思います。

それが難しい場合は、自分の体の一か所一か所、ひとつずつ観察していくのもいいかと思います。たとえば、肩でも右肩と左肩でも感じ方が違うだろうし、じっくりその状態を味わい、観察していくとおのずと自分に集中していくはずです。

でも、質問いただいた方は、すでに『周りの人のペースにハマりがち』と自分で気づけているので、自己観察できているのだと思います。集中できない理由はなんであれ、あとは自分の体にその都度意識を戻していけばいいでしょう。

私もときどき一生徒としてクラスを受講しますが、どうしても周りに視線が移ってしまうときは、視点を定めて、その一点を見つめます。壁でも指先でも、ポーズのキープに入ったら『ここ!』と決めるんです。そして、『惑わされない!』と暗示をかけます。それでも、どうしても気になる場合は、『あの人はあんな感じだけれど、じゃあ私はどうなの?』と自分の意識や身体の感覚に戻ります。」

見えるものを減らしていく、というのは両先生とも同意見でした。視覚がもたらす情報量は多く、それが同じポーズを取っている人間ならなおさら気になってしまい、さまざまな思考が働いてしまうのでしょう。

ほかにもスタジオに通われている方にお聞きすると、
「クラス受講は一番前の列でするようにしています。そうすると正面は真っ白な壁しかないから。」

「少し余裕をもって、スタジオに出向いて、マットのうえで体をほぐしたり、目を閉じて座って待っていたりします。それだけでも、自分のペースというか、空間づくりや心の準備ができるんです。」


クラスだけでなく、さまざまなシーンにおいても自分のペースで行えると、ストレスが少なく、納得いくものを得られるはずです。ぜひあなたのペース作りに参考にしてみてください。

編集 竹内まり子