シャヴァ・アーサナって、どうして必要なのでしょう?
先生、質問です! Vol.77
Question
どんなヨガのクラスでも、最後にはシャヴァ・アーサナで終わりますが、どうしてでしょう? これは絶対にやらなきゃいけないのですか?
Answer
ヨガクラスの最後に、ヨガマットの上で仰向けになり、静かに過ごす時間が設けられます。この仰向けの体勢を“シャヴァ・アーサナ”と言い、“屍(しかばね)のポーズ”という意味があります。クラスによって、このポーズで数分間、ゆったりと過ごします。
必ずヨガのクラスでは行われる締めのシャヴァ・アーサナについて、スタジオ・ヨギーのディレクターであり、現在静岡を拠点に活動しているユウ先生に聞いてみました。
「それまで行ってきた他のアーサナ(ポーズ)によって生じた疲れを取り除き、心を平安へと導くために行うのが、シャヴァ・アーサナです。シャヴァ・アーサナをしているときは、心拍数や血圧が下がる、呼吸が遅くなるなど、たくさんの生理的変化が起きます。そのことで、神経が休まり、身体のエネルギーの消失が抑えられます。
また、身体全体が休まることで、リフレッシュをし、ストレスを取り除くことにも繋がります。」
──静かに過ごすシャヴァ・アーサナですが、瞑想とは違うのですか?
「シャヴァ・アーサナは、心身を休息し、ニュートラルな状態に戻すのが主な目的です。ですので、クラス最後だけでなく、アーサナの練習前や練習の合間に短く取り入れることで、心身を一度リセットするという練習スタイルもあります。
一方、瞑想は、一定の時間じっくり取り組むことで、心身を休息するだけでなく、最終的には、ヨガのゴールでもある自分の本質に気づくことが目的です。
それぞれ目的が違うのですが、シャヴァ・アーサナも瞑想も習慣化すると、深いリラクゼーションが得られるという点では、とても似ていると思います。」
クラスで行うすべてのアーサナにかける時間の1割以上をシャヴァ・アーサナにとると、確実に体をリラックスさせる副交感神経の活性が起こります。1時間ポーズをとった場合は6分くらいです。
(JCHO東京新宿メディカルセンター 医師 石井正則・著「やってはいけないヨガ」より)
「そうですね。私たちが食事をした後、ゆっくり過ごして食べたものを消化吸収するように、シャヴァ・アーサナも最後に行うことで、それまでに行ったアーサナにより得らえた、身体的、精神的側面の様々な成果を消化し、吸収している時間だと捉えてよいと思います。」
「いいと思いますよ。シャヴァ・アーサナは、実はもっとも難しいポーズであると聞いたことがあります。心身の緊張が一切なく、究極にリラックスした状態でありながら、同時に意識は覚醒した状態を保つというポーズです。ですので、シャヴァ・アーサナで寝てしまうのは、リラックスできている証ですから、まずは、十分に休むことを大切に、そこから少しずつ、意識的なシャヴァ・アーサナが練習できれば良いのではないでしょうか。」
「1分でも良いので、シャヴァ・アーサナを行うことをお勧めします。その後の疲労感が違いますし、ヨガ(アーサナ)を練習することで得たものを消化する時間をもつことは、ヨガの練習の質を高めることにも繋がるのではないかなと思います。」
(JCHO東京新宿メディカルセンター 医師 石井正則・著「やってはいけないヨガ」より)
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『ベーシック・トレーニングコース』
ユウ先生担当で、関西にて実施!
・11/17(日)~全4日間、日曜実施 @スタジオ・ヨギーOSAKA(梅田)
・11/19(火)~全4日間、火曜実施 @スタジオ・ヨギーOSAKA(梅田)
編集 竹内 まり子