目黒の梅で梅干し
vol.17
さて、なるべく黄色みがかった3キロ弱ほどを選り分けさせてもらって持ち帰ったが、香りが全く立っていない。どうも香りがしないと梅仕事の気分も湧かないものだ。よって、数日間追熟させる事にした。3〜4日でずいぶん黄色みが増し梅の良い香りがしてきたので、ジャムか梅干しかと迷ったが、結局梅干しにする事にした。
雑な言い方かもしれないが、塩さえあれば梅干しは出来る。わたしはここ数年毎年梅干しを漬けているが、農家の友人の作る、塩が10%の梅干しを食べてから、塩は10%と決めている。今後も多分10%でいくと思う(18〜20%の塩で漬けるのが一般的)。用意する物は梅の10%の塩、焼酎適宜、そしてジッパー付きポリ袋。
梅は流水でよく洗ってから、完全に水分を切る。成り口の黒いヘタを金串や楊枝など尖ったもので取り除き、焼酎にくぐらせてからジッパー付きポリ袋へ入れる。そこへ10%の塩を投入。おわり(本当はおわりじゃないけれど)。これを毎日転がしてまんべんなく塩を浸透させ、梅酢を引き出す。塩が完全に溶けて梅酢が出て来てからも、日に何度かは動かしてやる。じっとしている水分にはカビが生えやすいが、毎日動いていればそのリスクは抑えられる。液漏れすることもあるので、もう一枚ポリ袋をかけるか、ボウルやバットなどに入れておくと安心だ。
赤じそをケチると中途半端な色になる(経験談)。又、塩揉み済みの赤じそも売っているが、色が悪くなるので決して使わないこと。仕込みの作業はとりあえずここまでで、梅雨明けを待つ。まずは1kgの梅から、いかが?
写真&文 中村 宏子