ひよこ豆を初めて食べたのはいつ?と聞かれたなら、それがまったく思い出せない。きっと大人になってから、インド料理の店でなんだと思うが、今ではすっかり当たり前のように馴染んで、我が家では大豆に次いでよく食べている豆だ。原産地の中東を始め、インド、南ヨーロッパ、北アフリカ、南北米など。ミャンマーではひよこ豆で豆腐を作るというから、ずいぶん多くの国で食べられているのだ。

乾燥ひよこ豆200gを茹でると、500gほどの煮豆が出来る。豆は半日ほど浸水させ、新しい水に替えてから煮始める。圧力鍋ならひたひたの水で、5〜7分火にかけ、火を止めてから自然放置。鍋の場合はかぶるくらいの水で40分〜1時間ほど煮る。ザルに上げて煮汁は取っておく。まずは100gのひよこ豆をサラダにする。きゅうり1本、トマト1こ、赤玉ねぎ1/2こはそれぞれ1cmほどの角切りに。ひよこ豆も合わせて、オリーブ油大さじ2、レモン汁大さじ1、クミン塩(vol.5 「クミン塩を定番調味料にする」参照)小さじ1、黒こしょう少々で和える。

クセになる味、中東のひよこ豆のペースト、フムスの作り方。ひよこ豆200g、オリーブ油、レモン汁、白練りごまをそれぞれ大さじ2、塩小さじ1/2、にんにくごく少量をフードプロセッサーに入れ、滑らかになるまで撹拌する。回りにくいようならひよこ豆のゆで汁で調節する。盛りつけてからクミン塩、黒こしょう、パプリカパウダー等を散らす。パンに塗ったり、野菜のディップにしてもいいし、豆乳や牛乳でのばせばスープにもなる。

意外と簡単、スパイスで作るひよこ豆のカレー。テフロン加工等のフライパンに油大さじ2とクミンシード小さじ1を入れ、中弱火でクミンシードを茶色くなるまで炒める。ここに玉ねぎ1/2こ分(約100g)のみじん切りとしょうがとにんにくのみじん切りそれぞれ1かけ分を入れ、玉ねぎがうっすら茶色くなるまで炒める。一旦火を止め、ターメリック小さじ1/2とレッドペッパー小さじ1/2(辛さは好みで調節を)、塩小さじ1弱を加え、余熱で30秒ほど炒める。再び火を点け、1cm角に切ったトマト1こ分(約200g)、ひよこ豆200g、ヨーグルト大さじ2を加え、5分ほど煮る。仕上げに香菜(コリアンダー)を散らす。葉はもちろん、茎もみじん切りにして加える。  

こうして乾燥のひよこ豆200gを使い切った。使う分だけ戻し煮るのがベストだが、余った煮豆は煮汁ごと保存容器に入れ冷蔵庫で保存し、2〜3日中に使い切ってしまいたい。冷凍すると食感もおいしさも格段に落ちてしまうのだ。

写真&文 中村 宏子