こんにちは。ピラティスインストラクターのカオリンです。今回は「ピラティスの呼吸」についてお話しします。

ピラティスやヨガだけでなく、日常においても「呼吸」はとても大切なものです。日常生活での呼吸は無意識に行っていますが、クラスに入ると呼吸について指示を受け、その呼吸に合わせることが多々あります。

鼻から吸った呼吸は、鼻で吐くのか? 口で吐くのか?
呼吸によって胸を広げるのか? お腹を膨らますのか?
など、呼吸を難しく感じる方も多いのではないでしょうか?

ピラティスとヨガの違いは、「呼吸法」とも言われています。呼吸法が異なるため余計に難しく感じるのかもしれませんね。

ピラティス氏は「呼吸とは生を受けて最初に行う行為であり、そして生が尽きるその時まで行う行為である」と述べています。正しい呼吸を行うことを重要視していながらも、その呼吸はとても難しいテクニックだ、とも述べているのです。

ピラティスは胸式ラテラル呼吸
呼吸法には「腹式呼吸」と「胸式呼吸」があります。どちらの呼吸も横隔膜を意識的に上下に動かします。

腹式呼吸は「お腹を膨らませる」というイメージがありませんか? それは、肋骨をあまり大きく動かさないため、吸った呼吸により肺が横隔膜を下降(収縮)させることで、お腹が膨らむからです。

それに対し、胸式呼吸は肋骨を左右に広げるように動かします。同様に横隔膜は下がりますが、そこでお腹が膨らまないように腹圧をかけコントロールすることがピラティスの「胸式ラテラル呼吸」です。息を吐くときはさらに腹圧を高め、ウエストラインを腹部中心へ引き込むようにすることで腹斜筋や骨盤底筋を鍛えることができます。この呼吸法は交感神経を活発にする働きがあります。体がすっきり目覚め、姿勢が良くなることも胸式呼吸の特徴です。

前回までの記事の中で、ピラティスは単なるエクササイズでなく “毎日の生活を快適にするもの” で “その一生を身体的・精神的に健康に生きてく為の方法” と言うことや、骨盤底筋の重要性をお伝えしました。そのすべてが、この胸式ラテラル呼吸に繋がりますね!

吐く呼吸は鼻から?口から?
解剖学上、「口」は食物を取り入れる消化器官系の初端です。それに対し「鼻」は嗅覚をつかさどる感覚器、そして呼吸をするための呼吸器に分類されます。となると「呼吸は鼻でするもの」が正しい答えになります。ですがこれはあくまでも解剖学上のお話。

ピラティスはたくさんの流派がありますが、口で吐く呼吸を推奨している流派も数多くあります。私も最初に資格を取った団体では口から吐く呼吸を推奨しており、その理由は「口から吐く方が腹圧をかけやすく、吐くことが意識しやすいから」でした。

呼吸で大切なのは、「どこから吐くか?」ではなく、「どれだけ吸って、どれだけ吐いたか?」や「どこを使って呼吸をしたか」なのです。口なのか、鼻なのかは自分のやりやすい方で良いと思います。

ピラティスでは肋骨を左右に広げ、その呼吸を背中にまで送るように深い呼吸を行います。呼吸を正しく行うだけで、心身ともに変化がみられるかもしれませんね!

by ピラティスインストラクター カオリン