お腹を使えているかどうか、不安です。
vol.7
ピラティスのエクササイズ中、首や腿が痛くなるなどの心当たりはありませんか? それは、余計な力が入っているために起こります。そんなときは、お腹の筋肉を使うことができると、より体を楽に使えるようになります。
ピラティスのエクササイズをしている間は常に、お腹を意識して、腹部の筋肉をコントロールすることが大切です。
今回は「体がグラグラと安定しない」「首や脚が緊張して痛くなる」「腹筋を使えているかどうかわからない」「お腹をへこませる意識がなかなか持てない」、という方に簡単なお腹への意識の仕方をいくつかご紹介いたします。
お腹にはいくつか筋肉がありますが、そのひとつに特に体幹を安定させる深層筋があります。それはお腹をへこませることで働き、コルセットを巻き付けたように腹部に圧をかける状態をつくる筋肉です。
お腹をへこませると、お腹の深層筋を働かせることができ、体幹が安定します。安定した身体の土台が作られることで、周りの筋肉と連動しながら手や脚、首などが楽に動くことができます。またお腹の深層筋は、内臓のポジションをよくしたり、呼吸に関わったりと生きていく上でもとても重要な筋肉です。そのお腹を意識してみましょう。
プロップスを使うと、意識したい場所にフォーカスしたり、わかりやすくなります。今回はエクササイズボールを使ったお腹の意識の仕方をご紹介いたします。
エクササイズボール
仰向けになって、膝を立てます。エクササイズボールを下腹部に乗せて、手を添えておきましょう。
ボールが手の重みでお腹の奥の底の方(腰部に向かう)に近づいていくように、お腹の表面だけをへこませます
お腹に月のクレーターのようなくぼみができましたか? コルセットを巻いたように、薄くえぐれたお腹を作ってみましょう 。
ボールの空気は入っていても少し抜けていても大丈夫です。
2.骨盤の下にボールを入れてお腹をへこませてみる
お尻の中心にある骨、仙骨(骨盤のうしろの真ん中の固い骨)の下にボールを入れます。
先ほどの要領でお腹をへこませるようにしながら、できるだけボールを平らに押し潰していきます。
不安定な場所に骨盤があってもぐらつかないよう、お腹で支える意識を持ってやってみましょう。
次に、ブランケットを使って、実際に動いてみましょう。
ブランケット
ボールでへこませたお腹を思い出しながら、腰のアーチを埋める分くらいのサポートを入れてみましょう。サポートにはブランケットやタオルなどを折り畳んで使います。高くなりすぎないように隙間を埋める程度の厚みにしてください。
へこませたお腹でブランケットを押さえたまま、今回は、ワンレッグサークルを実際におこなってみましょう。
片脚を天井に持ち上げます。上げた脚で円を描いていきます。このときも、ブランケットから腰、床から肋骨が浮き上がらないように、へこませたお腹を維持しましょう。
いつもより軽やかに四肢が動かせていたら上手にお腹を使えているはずです。
今回は「お腹の意識を持つこと」にフォーカスしましたが、そこから呼吸やセンタリングなど他の筋肉と連動させて身体の機能を高めるトレーニングとなっていきます。
ピラティスレッスンを受けるときに、この”意識すること”を思い出し、その感覚をヨガなどのレッスンやスポーツにも活かしてみてください。
もっと楽に身体を使い、コントロールすることが楽しくなってくるはずです。
写真・文 ピラティスインストラクター エイ/編集 七戸 綾子