子どもにある“純粋な本質”
マレ先生はとても驚きました。ヨガでも勉強するインドの聖典にそのままのお話があるからです。
―『創造新ブラフマは最初に海を創り、その中に種をまいた。その種子はやがて卵に成長し、それをブラフマが2つに割ると、割られた卵の金の半分から天空が、銀の半分から大地が生じたと記されている。』――「ヴェーダ聖典」の「チャンドギヤ・ウパニシャッド」より
―『純粋意識プルシャより種子を受けたるプラクリティ
その子壺(胎内)から生まれしは宇宙卵(マハト・ブッティ)
このマハトから生じたアハンカーラ(自我意識)が展開し
サットヴァ、ラジャス、タマスなる三つのグナの働きで物質界が顕現する』
――第五のヴェーダと呼ばれる「プラーナ聖典」の「バーガヴァタ・プラーナ3章11-40」より
このような内容をスワちゃんに話したことはないそうです。授業では、“切り絵で描く”というのだけが決まっていて、何を描くかは自由だったそう。
マレ先生のお話です。
「大人が勉強して知っていること、ヨガ哲学のようなことを、子どもは小さいときに知っていて、自然だと思っているんですね。成長の過程で、純粋な本質を忘れていってしまうのでしょうか。
絵を描いても、お話を書いても、作品の中に純粋な本質を見出すことができます。子どもってすごいな!流石だな!!と感銘をうけます。私たちは、子どものときには誰でも解っていた“純粋な意識そのもので在る”ことを、思い出すために学んでいるのでしょうね。」
お話 ヨガインストラクター マレ/文・聞き手 七戸 綾子