ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
クラスが終わって日常生活に戻ると、また人間関係の悩みを抱えてしまいます。ヨギーは人間関係にも効きますか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生の人間関係
たくさんの人と出会い、体について追究していくなかで、人間とは何かを学ばせてもらっています。いたわり過ぎてもほったらかしでも体は鈍ってしまうように、人間関係においても距離感や思いやりを大切にしています。

強く、美しく、しなやかに
人間がふたり以上集まれば、悩みは必ず生じるもの。ネガティブになったり悩んだりするのも、人間味があっていいなと私は思います。自分自身を振り返ってみても、「どうしてうまくいかないんだろう?」と落ち込んだときほど成長することができました。

体を例に考えてみると、筋トレというのは筋肉が損傷し、修復するときにより強くなるという鍛え方です。心も体も、ダメージを受けることは決して悪いことではないのです。ただ、同じような言葉や表情でも、自分の状態によってダメージの度合いは違いますよね。自分が安定していれば、「何かあったのかな?」と相手を思いやることもできるでしょう。

まず自分を整えておくこと。そのためにクラスが役に立つはずです。心も体も、自分という軸はブレないまま、多角的な視点で個性の違いを認められるように……。「強く、美しく、しなやかに」というビューティ・ペルヴィス三原則を、人間関係に悩むあなたへ贈ります。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の人間関係
ピラティスを始めてから落ち込むことが少なくなりました。悩んでいるときは姿勢も崩れているので、姿勢を整えると気分が切り替わります。考えてもどうにもならないことは、どんどん考えなくなってきています(笑)。

まず自分から姿勢を変えてみて
創始者のピラティス氏が「コントロロジー」と呼んでいたように、ピラティスは心と体をコントロールするメソッドです。姿勢を正すと気持ちも整うという効果は、クラスで実感している方も多いのでは? 

人間関係に悩んでいるときは、価値観の違う相手を変えようとしたり、あれこれ考え過ぎたりしてしまいますよね。私たちの体が一人ひとり違うように、価値観も人それぞれ。同じ人でも、エクササイズの感じ方や人生の優先順位はそのときによって変化します。

体に意識を向けていると悩みを忘れ、「人それぞれ、日によって違う」ということが理解しやすくなります。姿勢も自分が変えようと思わない限り変わらないように、自分の心と体に意識を向け、自分から変わろうとする意識が大切。まずはピラティスで姿勢を変えてみてください。すっきりするだけでなく、自分の心と体をコントロールする「コントロロジー」が人間関係にもきっとヒントを与えてくれると思います。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の人間関係
僕は長い間「自分の意見が正しい」と信じているふしがありました。社会経験とヨガの教えで、自分の意見や存在価値を主張するなら相手の意見や存在価値も認めるべきだということを自分のおごりとともに学びました。

ヨガの目で相手を見てみると……
人間関係とは、普遍性と相違性をどう意識するかに尽きるのではないでしょうか? 相手に同じものを見出せば引き合う力(愛)、異なるもののみに目を向ければ隔てる力を生みます。私たちは、姿形、好みや意見、経験や能力の異なる「個」の存在ですから、職場やスタジオのように同じような価値観や目的を持って人が集まったとしても、よい人間関係は自動的には生まれません。

ヘルシーな関係性を築くために大切なのは、たとえお互いを「個」として好きになれなくても(!)、ヨガの宇宙観における本質的レベルでは同一の存在であると覚えていることではないでしょうか? 自分と他人が同一の存在であるという概念は難しく感じられるかもしれませんが、ヨガはそうした普遍性を見出す哲学でもあります。相違性の中に普遍性を見出し、それを繰り返し思い出そうとすること。同時に、相手のすべてを知っているわけではないと肝に銘じるのも、人間関係を豊かにする秘訣ですね。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.26より