ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
痩せすぎでもなく、筋肉質でもなく、スタイルをよくしたいです!
ヨガ、ピラティス、ビューティ・ペルヴィスを続けていくと、どんな体になりますか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

キョウ先生の理想のスタイル
あるフランスの映画監督の逸話を聞いて以来、「自意識で美しく」というのが基本です。彼は女優さんを育てるため一緒に暮らし、家の中ではいつも裸で過ごさせていたそうです。その視線が、美しさを育てたのでしょうね。

脂肪も美しい、しなやかな体へ
ビューティ・ペルヴィスは、1.機能美をめざす 2.日常の立ち居振る舞いから筋肉を養う、というメソッドです。

1.については、深層筋にはたらきかけてインナーユニットを中心に整えます。インナーユニットとは、腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群から構成され、体幹を安定させるのに重要な役割を担っています。つまり、体の基礎づくりですね。

2.については、男性的なしぐさに通じる短縮性(コンセントリック)筋収縮よりも、女性的なしぐさに通じる伸張性(エキセントリック)筋収縮を中心にトレーニングすることで、しなやかな体をめざします。

そして、ビューティ・ペルヴィスの最大の特徴ともいえるのが、脂肪を重視していること。それは女性にとって体脂肪率と女性ホルモンの関係は見逃せないからです。適度な脂肪があるからこそ、思春期から更年期までの変化に応じてそれぞれの美しさが発揮できるのです。一方、男性にとっては苦手な体の使い方になるので、能力の幅が広がります。私たちが持って生まれた体の個性を大切にしたいですね!

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の理想のスタイル
こんなスタイルになりたいというよりは、もっと機能的な体になりたいと思っています。背すじを伸ばしていられたり、座っても脚が開かなかったり、ピラティスで姿勢が整うとしぐさも美しくなるような気がします。

機能的な筋肉が残り、骨も正位置に
わかりやすい例を挙げるなら、ボディビルダーとは正反対の体になります。ボディビルダーは体の外側の筋肉が発達していて盛り上がった筋肉のかたちがはっきり目に見えますが、ピラティスでは目に見えない体の内側の筋肉が整ってきます。

よく「インナーマッスル」や「深層筋」と呼ばれる筋肉のことですね。体を大きく見せるための筋肉ではなく、よい姿勢で日常生活を送るために必要な、機能的な筋肉だといえます。機能的な筋肉が発達してくると、外側の筋肉をあまり使わずにすむので余分な筋肉がそぎ落とされ、骨も正しい位置に戻りやすく、筋バランスが整ったしなやかな体になります。

また、基礎代謝があがり、太りやすい人は痩せやすくなってくるようです。インナーマッスルを使うエクササイズはいろいろありますが、ピラティスは負傷兵のためのリハビリとして発展したということもあり、より具体的にストレートに機能的な筋肉や骨の位置にはたらきかけるメソッドだといえるかもしれません。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の理想のスタイル
常にそのときの生活スタイルに即した状態でいたいと思います。今はやはりエネルギーに満ちていて、動的な状態でいたいですね。鏡を見たときに姿形とエネルギーが「生き生きしていて自分らしい」と思えるのが理想です。

その人のあるべき姿に導かれる
「ヨガをすると筋肉がつきすぎますか?」と質問を受けることがありますが、かなりトレーニングを積んでいるNYのヨガ仲間を見ても、筋肉隆々とした人はあまりいないように感じます。ヨガの体の使い方は、陸上競技にたとえると筋力と持久力を高める中距離選手系に相当するのではないかと思います。背骨・肩・腕・腰・脚の骨に近い深層筋をターゲットすることによって、いわゆる「コアマッスル」が強くなり、均整のとれた機能的な体になるのでしょう。

栄養と休養をとること、そして汗をかく程度のヨガの練習を適度に繰り返していれば、自分に自信を持てる生き生きとした体型になると思いますよ。ただし、遺伝・生活習慣・年齢などの要因もありますから、同じ練習量で同じ体型になるとは限りませんね。その人のあるべき健康的な体型に導かれるのだと思います。健康は自己啓発の第一歩でもあり、また健やかでなくては美も伴いません。心身ともにバランスのとれた美は、傍から見ても輝いているようですね。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.12より