読者の方々から届いたインストラクターへの質問のなかから、特に多かったものをご紹介。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
「足がよく、つります。クラス中にもつることがあるのですが、どうしたら予防できるのでしょう?」

Answer
急にやってくる足のつり。「あ、つるかも…!」と直前に感じることもあるものの、でも大抵はそれを止めることができず、足の痛みがマックスになるのがほとんどではないでしょうか。

この止められない痛み、いったいどういう現象なのでしょうか?

ピラティス マミ先生

「『クラス中、足がつる』ということですが、この場合は、足がポイント(つま先を遠くになるよう、甲が伸びている状態)のときに筋肉が収縮して、ひどいとその筋肉が痙攣する(=つる)、ということが多いかと思います。これはヨガ、ビューティ・ペルヴィス、ピラティス、どのクラスでも、起こりうることかと思います。

起こってしまったら、休むしかないでしょう。無理をして動かすのもつらいと思います。

ピラティスでも足をポイントにして取るエクササイズがありますが、足がつりそうだなと感じたり、足がつった後にエクササイズを再開するときには、無理せず、フレックス(足首を直角に曲げる)か、足は力を抜いてリラックスした状態で行ってください。」


では、予防する術(すべ)はあるのでしょうか? つりが起こる原因としては、
・ミネラルバランスの崩れ
・冷え
・筋肉疲労
などが主にがあげられるようです。

ミネラルは人間にとって必要な栄養素のひとつ。カルシウム、鉄分、ナトリウムといった種類があります。これらのバランスが崩れると、筋肉の動きを調整する機能がうまく働かなくなり、足がつる(筋肉が痙攣する)症状が起こりがち。ミネラルは体内では作り出すことのできない成分のため、食べ物から摂るしかありません。

冷えは、個々の体質によって起こる症状ですが、カラダが冷えることで血行不良となり、筋肉を感知するセンサー(筋紡錘/きんぼうすい)に不調をきたしてしまい、足がつることがあるようです。

そこで、“ビューティ・ペルヴィス”メソッドの開発者であり、ボディワークプロデューサーのkyo先生に冷えについて訊いてみいました。

「冷えの原因には様々ありますがそのひとつに“体の熱を放散できない”ということが起こっている可能性が挙げられます。要は食事でエネルギー(熱)を生産し全身に供給しているわけですがその供給が上手くいかないと熱が深部にこもったまま停滞を起こすという現象が“冷え”になるのです。

そこで結合組織である筋膜どうしの滞りを取り除くことで、熱の伝導もスムーズになります。もちろん、筋膜には血管、リンパ管も通しているため様々な循環を改善できるのが筋膜ストレッチなのです。」


ビューティ・ペルヴィスのクラスで行われている筋膜ストレッチ。冷えや脚のつり予防に効果が期待できるメソッドを紹介します。

1.膝下を両手でつかんだら、回転させるようにギュッとねじって、元に戻す。
2.ふくらはぎの中央も1と同様に。
3.足首も同様に。筋肉がしなやかになるのが感じられるはずです。

ほかにも、足の冷えには足指の急処ケアがオススメです。

次いで、ヨガのヤスシ先生にも対処法を聞いてみました。

「喉が渇いてから水分を補給するのではなく、前もって水分を摂ってからクラスに臨まれるのが理想的です。運動で汗をかき、体内の水分やミネラルを失えば痙攣が起こりやすくなります。

また筋肉量の減少、血行不良と冷えも原因とされているので、各クラスを通じて体を満遍なく動かすことで筋肉量の保持、体温低下の予防、また筋肉疲労を軽減する効果的な姿勢の体得をお勧めします。自律神経にも働きかけるリストラティブヨガには疲労回復や睡眠の質を改善する可能性もあります。」


ヨガ、ピラティス、ビューティ・ペルヴィス(骨盤調整)など自分の好きなメソッドで基礎体力をつけ、代謝のいいカラダづくりが、足のつりを軽減させる一歩のようです。体力があると思っている方でも足がつる場合は、意外と代謝が悪いのかもしれませんね。

クラス中だけでなく、日常、薄着をする季節で、足がつりやすいという声も聞きます。
暑い日は汗もかきやすくなりますし、クーラーで冷気が下に貯まることで脚が一番に冷えるでしょう。女性ならば、サンダルやヒールの高いもので足を酷使すれば……! しっかりと対策を立てて、足をいたわってあげましょう。

>奥深くの筋肉にフォーカス~ピラティスのクラスについて
>筋膜へアプローチ~ ビューティ・ペルヴィスのクラスについて
>活力を回復~リストラティブヨガについて
>ヤスシ先生他による『リストラティブヨガ・トレーニングコース』

編集 竹内まり子