みなさんどんな質問をしているのでしょうか?
先生、質問です! vol.22
Question
よく先生に質問している人の姿を見かけます。みなさんどんな質問をしているのでしょうか? 私も先生と何かお話ししてみたいなと思いつつ、きっかけがありません。
BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生
質問はほとんどしないかもしれません。特にビューティ・ペルヴィスに関連するような専門分野については、自分で考え、自分で答えを探したいと思っています。もちろん行き詰まったら専門家に助けていただきます。
自分で答えをみつけるために訊く
クラスで最も多い質問は、慢性・急性を問わずご自身の不調に関するものでしょうか。時には家族や友人の相談を受ける場合もありますね。不調を解消するためのハウツーやアドバイスとして、よりカスタマイズされた情報を求められますが、私たちの体は人それぞれ違いますから正解もひとつではありません。そこが難しく、面白いところです。
クラスで「どちらの脚が長い?」「左右差は?」というような問いかけが多いのもそのためで、“なぜだろう”と自ら思考して気づいたことは喜びとともに必ず身につきます。だからこそ、みなさんにはぜひ自分で答えをみつけていただきたいのです。
では、私たち指導者の役割はというと、正解をポンと渡すのではなく選択肢を示して問いかけることだと思っています。なんていうと声をかけづらいかもしれませんが(笑)、私たちインストラクターはクラスの感想でも世間話でも、みなさん全員と一言でもお話ししたいと思っています。
PILATESプログラムディレクター マミ先生
指導者としての体験談を聞きたいときなどは、質問して参考にさせてもらっています。「先生なら、こういう場合はどう指導しますか?」など、マニュアルに書いていないことやその人にしか答えられないことはよく訊きます。
不安があるときはクラス前に
未経験の方や不調がある場合は、クラス前にみなさんからもお知らせいただけるとうれしいです。経験に応じてクラスの内容や説明のしかたを調整したり、ケガや痛みに配慮したりしますので。「今日は寝不足です」「最近忙しい」といったコンディション、近況報告や世間話なども楽しいですね。たわいないことでも少し話をしておくと、より安心してクラスを受けられると思いますよ。
クラス後は、わからなかったことの確認や感想などもよくいただきます。より深くピラティスを学びたい方には、いい勉強になりますから、質問する前にまず自分で考えてみることをおすすめします。試行錯誤したり本を読んで考えたりするうちに理解が深まり、疑問が解消されることも多いはず。
ピラティスでは、特に体の内側に意識を向けますが、鏡やツールを使って体の外側からもチェックする場合があります。質問も、まず自分の体の状態を感じたうえで客観的なアドバイスを求めてみては?
YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生
僕自身が訊く立場の場合は、自分で答えを探ってから先生に質問するよう心がけています。でも、先生の回答をよく聞いていないことも……。そんなときは疑問を解消したかったのか、意見を述べたかっただけなのかとさらに自問自答します(笑)。
みなさんの一歩を待っています
普段のクラスでは、体の不調に関する質問が多いですね。もちろんそれは、クラスを行うにあたって、こちらから生徒さんの健康状態を尋ねるからかもしれません。体の不調について詳しい情報を得たら、それに対してどのようにアプローチできるかなどをお話しします。
一方、トレーニングコースでは、体やポーズだけでなくヨガ哲学に関する質問なども受けます。ひとつの質問が多くの人へのヒントとなるような話題に発展することもよくありますね。いずれにしても、指導者として多くの人とコミュニケーションをとるように努めていますが、それぞれの距離感が異なることは否めません。
僕は常々「生徒のほうから先生を選ぶ」という想いをもっていて、こちらから勝手に人の領域には踏み込まないようにする場合もあります。実は、僕たちインストラクターはみなさんからの一歩を待っていることもあるのです。質問でなくても、遠慮なくお話ししてくださればうれしく思います。
文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.22より