ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
腰痛のために何か始めたいのですが、どんなクラスを受けたらいいですか?

腰痛にはさまざまな原因があります。事故・ケガ・脊柱の損傷などによる腰痛は、必ず医師の診断を受けてください。原因がわからない場合も決して自己診断せず、運動してよいという医師の許可を得ましょう。以下は、日常生活のなかで引き起こされる慢性的な腰痛と、その予防についてのアドバイスです。

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生の体験談
人は誰でも利き手や利き足がより強く鍛えられていますし、体癖があります。前後左右対象に運動しているつもりでもバランスが崩れれば腰痛になることも。私自身もペルヴィスの骨格調整と筋膜ストレッチは欠かせません。

ビューティ・ペルヴィスで骨格と筋膜を調整する
ビューティ・ペルヴィスでは、整体をもとにした「骨格の調整」と筋膜療法の技法である「筋膜ストレッチ」によって、腰痛にアプローチします。

たとえば、長時間立ち仕事をしている方の右腰に痛みがあるときは、右足の親指のつけ根(母指球)がかたくなっていることが多いので、親指を引っ張りながらぐるぐる回します。すると「痛みがなくなりました!」と驚かれることもあります。不思議に感じられるかもしれませんが、全身はひとつながり。頭蓋骨と骨盤、足の指と内臓など、特に関連の深い部位が存在します。

関連痛といって、痛みの神経回路が通っているために、胃腸・腎臓・肝臓の不調を、腰痛だと身体が錯覚してしまうものもあります。ビューティ・ペルヴィスで骨格と筋膜を調整し、その状態を定着させるためには筋肉の再トレーニングをおこなうのがいいですね。

また、怒りが腰痛を引き起こすという心の問題もあります。自分自身に対する期待から起こる怒り、焦り、不満、慢性的にしなやかさを失っている心……そんな心のケアとしてもスタジオ・ヨギーの3つのプログラムを受講してみてください。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の体験談
まだピラティスをしていなかった妊娠中の私は、はじめて腰痛を経験しました。2人目の子どもを妊娠したときは、産前産後にピラティスを続けていたおかげで、体のバランスを保つことができ、腰痛にならずにお産に臨めましたよ。

ピラティスで体の使い方を学ぶ
腰痛は、ある日突然始まるのではなく、腰痛になるような体の使い方をしていたことが原因で起こることがほとんどです。ですから、お薬などで一時的に痛みをおさえてもなかなか治らないんですね。

ピラティスでは、腰に負担のかからない体の使い方そのものを学びます。たとえば「おへそを中に入れる」ことでインナーマッスルにスイッチを入れ、「背骨全体を長く保ちながら動かす」ことで椎間板へのストレスを軽減し、「センターラインを意識する」ことで左右のバランスを調整します。

エクササイズの動きとしてはとても小さな“地味”な動きも多いのですが、それはピラティスがカロリーの「消費」だけではなく、体の「学び」を目的としているからでもあります。エクササイズがうまくできないときは、体の使い方が間違っていたり、バランスが崩れていたりする証拠。

クラスでも日常生活でも、体の使い方を練習していきましょう。集中してうまくできるようになった頃には、結果的に腰痛になりにくい体になっていたり、改善されていたりすることも多いですよ。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の体験談
僕にも「利き腹筋」があるのか、長時間のフライトや重い荷物の持ち運びなど、偏った動きや負荷のかけ方で痛めることがあります。そんなときは骨盤のバランスをとるようなポーズを繰り返して克服しています。

ヨガで心身ともにバランスをとる
長時間のデスクワークや運動不足による腰痛でしたら、立ちポーズを含む身体全体を動かせるヨガクラスが一般的によいでしょうね。日常生活のなかで反ることやねじることは意外と少なく、それをとり入れると体にバランスが生まれると思います。

腰に痛みがあるときは腰を丸めがちになりますが、骨盤の前や腹筋を伸ばすことが腰痛をやわらげることにもつながると考えます。安全に後屈するためには、腰椎の弯曲を腹筋でサポートしながら脊柱を伸ばすのが大切です。

腰痛を引き起こす他の原因としては、腹筋の弱さや、かばんの持ち方など生活習慣の癖、ストレスなどが考えられます。腹筋についてはマミさん、生活習慣の癖によってバランスを崩した骨格の調整についてはkyoさんが詳しいと思います。

ヨガは、体のバランスをとり戻すのはもちろん、精神的にも開放感を与えてくれます。ストレスから自由になり、気持ちも腰も軽くなることでしょう。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.3より