今年の2016年から、8月11日が祝日となりました。「山の日」です。

国民の祝日として「山の日」を制定することを求める日本山岳会と各関係者の意見を受け、最終的には2014年に国会で制定。今年2016年より施行される、ということです。

夏休みまっただなかの学生さんには、あまり恩恵のない祝日かもしれませんが、大人はうれしいという方も多いのではないでしょうか。これで、祝日のない月は、6月のみ、となりました。

“山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日”というのがコンセプトの山の日。ちょうどこの時期は、世界遺産である富士山の登山シーズンでもありますね。

私も10年ほど前ですが、8月に富士山に登りました。山頂に向かうには4つのルートがあるのですが、高山植物も楽しめる“須走ルート”を選びました。正午に出発、最初は斜面は緩やかだし、緑も心地よく、『楽勝!?』と思いましたが、高山病にならないよう、あくまでもゆっくり。そのうちに緑もなくなり、険しさも増して、慎重にならざるをえず、だんだん真剣に。そして、7合目ではすでに、雲の上のまで来ていました。そのあとに寄った山小屋での晩御飯のカレーは、美味しかったですね。

少し山小屋で仮眠を取ったあと、真っ暗なうちに出発。ご来光をより高いところで見るためです。須走ルートは頂上までいかなくとも、ご来光を見ることができるので、これまた焦らずゆっくりと。登坂途中でご来光を見ました。明るくなってから雲の合間に見える街並みや周りの湖がとてもキレイ。そして、最後登頂までもう少し…!というところがかなりつらかったこと、今でも覚えています。かなりの急斜面で、杖やトレッキングポールをついて歩くというよりは、もう手をついてよじ登ってました……。結局山頂についたのは、正午ぐらい。山頂で食べたおにぎりがおいしかった…!

下山がこれまたユニークなルートを選んだのですが、“砂走り”といって、急斜面の砂の上を、ザーザーっと滑りながら降りるコースでした。コツをつかんでしまえば、これがとても速い! あのつらかった登りはなんだったの!?というくらい、あっという間に下山しました。(ただ、私の友人は砂走りに慣れず、最後まで苦戦して、『登りのほうがよかった!』と言っていました。)

いい思い出ですが、“もう富士山に登るのは無理”と尻込みしてしまう私のような方は、ヨガの山のポーズで、山に親しみませんか?

山のポーズ(タダアーサナ)

ヨガで立つときの基本姿勢である、山のポーズ。両足に体重をのせて、大地を踏みしめるイメージです。

足は腰幅に開き、両足の人差し指を平行に立ちます。左右両足に均等に体重をのせます。
恥骨をおへそのほうへ引き上げて、おへそは縦に長く伸ばすイメージで。

横から見た姿勢は、くるぶし、ひざ横、腰、肩の中心、耳が一直線になるように。
肩はリラックスして、頭頂部で天井を押し上げていくように、背すじを長く伸ばします。

出典:『おうちでできる! はじめてのヨガレッスン』(著者:フェイ/監修:キミ/学研マーケティング )

ただ立っているだけのようなポーズですが、自身のカラダのクセや傾きのせいで、なかなか難しいのです。すっと富士山のように堂々と、潔く立てると気持ち良いですね。

文:竹内まり子