男役も似合いそうなスラリとした長身。外見は凛とした印象なのに、話してみるとなんだか「かわいらしい」。20歳頃からダンサーとして活躍し、華やかな女の世界で生きてきたアサナ先生ですが、人間関係で苦労したことは一度もないそうです。

――人と接するときに大切にしていることは?
「笑顔かな。いつも笑顔を絶やさない両親のもとで育ったせいか、小さい頃から笑顔でいるのが普通。それが仕事につながっているのかもしれません」。

――アサナ先生の笑顔を支えている芯の部分は何でしょう?
「ダンスの仕事は自己管理の世界。体調が悪いからといって休演はできない。そういうところの根性はあると思います。子どもの頃から休むことが嫌いで皆勤賞でした」。

ダンスのレッスンは、これまで産前産後も含めて1ヶ月と空けたことがないそう。ずっと現役で踊り続けられるのはビューティ・ペルヴィスのおかげだそうです。「体の感覚が上がって変調に気づきやすくなったので、すぐメンテナンスできます。ケアすれば長く踊れると実証できたから、みんなにもっと伝えたい」。

――では、心のメンテナンスは?
「両親が病気だったり辛いことがあったりしても、クラスでみんなの前に立つと自然と笑顔になれる。舞台もスタジオも、人前に立つとスイッチが入ります。よく生徒さんが『笑顔に癒されました』と言ってくださいますが、それは私のほうこそありがとう、なんです」。

自分のことより誰かのことについて語るアサナ先生は、なんだかとてもうれしそう。「人が好きなんです。嫌なことがあっても友達とお茶すれば元気になるし、ひとりでいるときも人間ウォッチングが楽しい。出会った人はみんな宝物。人に恵まれてここまで来ることができたと思います」。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.18より