ヨガと仏教の共通点
空海とお釈迦さま
仏教の開祖であるお釈迦様、ゴータマ・シッダルタはヨーガの技法である瞑想で悟りを得られたというところでは、広い意義でヨガを学び実践する人ヨーギーと言えます。
お釈迦様が生前、語り残した言葉を弟子が書き残した『ダンマパダ』(法句経)にはヨーガについて書かれています。
『実に心が統一された(=yoga)ならば、豊かな智恵が生じる。心が統一されないならば、豊かな智恵がほろびる。生ずることとほろびることのこの二種の道を知って、豊かな智恵が生ずるように、自己をととのえよ。』(岩波文庫「真理のことば」282句、中村元訳より)
現在、私たちがヨーガを学ぶ上で手にする最も重要な経典のひとつ「ヨーガスートラ」(瑜伽経)です。
この中には、具体的なヨーガが目指す境地、そこに至るまでの日常生活での実践や哲学的な方法論、そして、、、極めたら得られる?!超能力的な事までが書かれています。ちなみに196節の簡潔な教えが書かれた薄~い教科書です。
今ではAmazonでポチッと買える一冊ですが、当時は、喉から手が出るほど!習得したい秘密が書かれてると荒波越えて命がけで唐へ渡った人がいます。
それが、日本の仏教界のスーパースター空海(弘法大師)です。日本にヨーガ(瑜伽)が入ったのが遡ること奈良時代、弘法大師空海が唐へ渡り日本へ帰国したこの時と言われています。
天才空海ですから、その後自ら実践をし体感したヨーガの宇宙観を曼荼羅にしたりマントラ(お経=真言)を唱え、ムドラ(手指の形=印)を結び瞑想をして悟りを得られたのでしょう。
真言密教の開祖である空海ですが、密教=タントラ、これもその源を探っていくと宇宙をイメージした絵や言葉や仏像などと合一になるインド原産の考え方です。
ここまで、お釈迦様と空海を例にこの2人もヨガしていた、というお話です。
昔から日本には「三昧」という言葉がありますね。無我夢中で一つの物事に集中する事、つまりそれは全てヨーガです。
それは、スポーツ三昧でも読書三昧でもパチンコ三昧でも、、、いや(笑)。精神的に良いもの三昧がオススメですが、と、あるお坊さんが言ってました。
「ただ仏様の前でリラックスして手を合わせるだけで良い」
今、お寺の数とコンビニの数、まだまだお寺の数の方が多いそうです。そして、ヨガスタジオも東京には溢れんばかりです。
お寺でもヨガスタジオでも手を合わせて息を調えて、私たちが瞑想したりムドラを結んでマントラを唱えたり日常生活を一瞬、切り離して自分に没頭して心の穏やかさを取り戻す時間。それは、多くのヨーガ行者やお坊さんが実践されている事そのものではないかなと考えるのです。
私たちが住んでる日本には日常に仏教やヨーガが溢れています。世界的にみてもこれはとてもラッキーな事。
ヨガと仏教、相互的に変化をしながら、今も私たちの心に穏やかさと生きる力を与え続けています。
文 ヨガインストラクター ヒロ/編集 七戸 綾子