陰ヨガ 冬の養生法
暦※の上での冬は、立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までの約3か月を指します。
冬は寒さから身を守るために生命力を身体の奥に蓄えておく季節である為、冬の身体はエネルギーの流れを内向きにして無駄な消費を抑え「気」(エネルギー)を溜め込もうとします。
東洋医学ではこの時期、ホルモンバランスや老化をつかさどる「腎」の働きが弱くなりやすいと言われています。気を無駄に消費する様な不摂生な生活を続けると、機能が衰えやすくなり、老化が進むとも考えられています。「腎」の異常は身体全体の陰陽バランスを乱し、全身に不調を起こしやすくなる為、この時期は「腎」を労るべきと言われます。
「腎」には風邪などから身体を守る力も蓄え、身体を温める働きもあることから冬の養生法の基本は「養腎防寒=腎を養い身体を冷えから守る」と言われ、この冬の養生法に努めずに、精神を動揺させたり、からだを寒さにさらしたりして、陽気を逃がすと「腎」の蔵を損ねて発病すると言われています。
そこで、陰ヨガでは冬は「腎経」と「腎」と陰陽、臓腑関係にある経絡「膀胱経」が通る身体の背面(脊柱の両脇、腰背部、脚の背面)を刺激し、背部〜足腰の血流を促し、気の流れを整えていきます。
冬は、東洋医学で「冬」に養生すべきとされている、背骨の両脇から脚の背面を通る「腎、膀胱経」を刺激するため、身体の背面を刺激するバタフライポーズ(膝を左右に開き両足の裏を合わせた前屈)やキャタピラーポーズ(長座の前屈)等の前屈系ポーズがおすすめです。
“生命の源”とも言われる「腎」を養生し、気の流れを良くして、蓄えの季節である冬の時期に活力を十分に補充して、今から始まりの季節である春からの1年を乗り切れる身体を整えていきましょう!
※注 :二十四節気
暦(中国から日本に渡ってきたもの)の上で季節を記録するものとして太陽暦(新月の日を1日としてひと月を定めたもの)を用いていました。太陽暦の一年間、春夏秋冬を二十四分割したものを二十四節気(にじゅうしせっき)と呼びます。この場合、一年は二十四節気の「立春」から始まり「大寒」で終わるとされています。
冬は「立冬」から始まります。文 ヨガインストラクター ユカリ/編集 七戸 綾子