よい香りをかぐと、気持ちがいいだけではなく、実際に体には変化が起きている? 天然の香りだからこそ、効果がある、というお話しを、アロマテラピーを中心に活動している美容家のおかせみと先生にうかがいました。

おかせみと先生は、アロマテラピーなど、欧米の文化を取り入れた、日本における新しい健康的なライフスタイルを提案している美容家です。「MYTHOS SALON」を主宰し、精油の輸入販売、オリジナルオーガニック化粧品、アロマ商品の開発やサロン経営、アロマテラピーの専門家育成をしています。

幼少期に悩まされたアトピーを、自然療法としてのアロマテラピーで完治させたことをきっかけにアロマテラピー、ハーブ、料理、ヒーリングマッサージ、リハビリマッサージを学びました。特に、精油を含めたオイルの長年にわたる専門知識を活かした美容家として、全国各地の講演やセミナー活動によって「オイル」の魅力を伝えています。

アロマテラピーを活かすには、一定の知識が必要です。私が教室を始めた頃は、その時間を楽しんでもらうことをコンセプトとしていました。でも、わかった先に使いこなすところまで行かないと、アロマテラピーの良さを実感し、伝えることができないと思い、日本で初めてアロマテラピーのプロ養成講座を始めました。

アロマを健康法と一緒に使っていくことで相乗効果につながるのでは、と思っています。

アロマテラピーは、エッセンシャルオイルと言われる精油を使った美容法、健康法です。精油とは、人間でいうところの血液やホルモンにあたる部分で、植物から蒸留で抽出したものです。

ローズの一滴の精油に対して、バラの花60~80本にあたります。5ml のオーガニック精油は、600本分以上の花から採られていますので、価格にすると、36,000円ほどします。

市販のバラの香りのする製品のほとんどは香料です。

天然の精油だからこそある、香りの効果

天然の香りを嗅ぐと、脳からいろいろなホルモンが自然に出てきます。なぜなら、自然の中に存在する成分が脳を刺激するからです。精油は、抽出されるときにたくさんの植物の天然化学成分が凝縮されています。

合成香料は、バラの組成ではありません。もちろん、合成香料でも、過去の良い記憶と結びついて、いい気持ちになって、それが脳に影響することもあります。

自分の身の回りの環境では、なるべく自然の成分にふれることがよいですね。天然の香りとは、植物の力そのもの。無意識のレベルで効果を出しているのです。

続けていくことが大切

よい香りを嗅ぐことで、まず、ここちよさを感じることができます。嗅覚をつかうことで、リラックスが増します。
「アロマを生活に取り入れてはじめて、これまで疲れがとれていなかった、ということがわかった」という人が多いです。長くつかうことで、10年後、20年後に効果を発揮します。使い続けることで、やめたときに違いがわかります。

将来なりうるであろう病気の予防をしていくこともできますし、柔軟性のある精神を育てていくこともできます。精油を使い続けていくことで、免疫力が高くなり、細胞が活性化されていきます。

私自身、43歳で高齢出産していますが、身体がラクでした。

アロマは、肉体のケアと精神面のケアの両方ができます。ホルモンは、微妙なところでバランスをとっています。日々様々なものから受けている影響をいかにコントロールするか、そうことにもアロマが役立ちます。

生活に生かしていく

具体的にいくつか、日常でのアロマの使い方をご紹介します。

〇入浴
暖かいお湯にエッセンシャルオイルを入れます。
慣れないうちは希釈されたオイルをつかうことからはじめるのがよいでしょう。慣れてきたら、エッセンシャルオイルを、湯ぶねに5〜6滴入れます。使い方は、ボトルを斜めに傾けるだけで、ポタっポタっとオイルが落ちます。あせらずゆったりとした気持ちで取り扱ってください。入浴中、香りを嗅ぎ続けることで、吸入による抗酸化力が働きます。カリフォルニア大学の先生が言っていました。

〇スキンケア
化粧水か、クリームにエッセンシャルオイルを加えて使います。お水に希釈して、化粧水やコロンにすることもできます。

化粧ポーチを忘れたとき、とっさに手持ちのエッセンシャルオイルで化粧水を作って使うこともあります。ゼラニウムは、虫刺されにもいいんですよ。精油は、知識があると便利に使いこなせます。

〇デオドラント
旅行や出張先のホテルの部屋で、においが気になるな、というときは、シンクやバスタブに熱湯をためて、オイルを垂らし、そのままドアを開けておきます。すると、香りが部屋に広がって、空気が浄化されます。

〇吸入
胸焼け、胃がむかつくときは、ハンカチに直接エッセンシャルオイルを垂らして嗅いだり、シンクに熱湯をためて、そこにエッセンシャルオイルを垂らして蒸気と一緒に吸うことも。

〇噴霧
香りを拡散すると、空気が洗浄されます。空気中のバクテリアを殺す作用もあります。

エッセンシャルオイルから作るフレッシュナーは、ルームフレグランスとしてだけではなく、リラクゼーションローションに、デオドラント剤に、ヘアスプレーや虫よけスプレーにも使えます。

アロマテラピーを日常に vol.2 精油の選び方 はこちらから。

お話し おかせみと/編集 七戸 綾子