こんにちは。ヨガインストラクターのチエです。

ウシュトラ・アーサナのような、体を後ろ側へ反らせるポーズを「後屈のポーズ」といいます。後屈のポーズは、背骨を大きく反らせますが、腰に負担がかかり、苦手に感じる方も多いですよね。

背骨は、腰の部分(腰椎)、胸の部分(胸椎)、首の部分(頸椎)の3つの部分に分けられますが、ウシュトラ・アーサナが苦手な方の多くは、腰だけで反ってしまい、あまり胸の部分を反っていなくて過度に腰に負荷がかかっていることが多いようです。

後屈は、腰(腰椎)を反らせるのではなく、実は、胸(胸椎)を広げるのが目的です。

まずは、ウシュトラ・アーサナのためのウォーミングアップとなり、肩甲骨を寄せて、胸を広げるための準備となるアーサナをご紹介します。

キャット・アンド・カウで、背骨を動かしましょう。最初に、背骨全体を動かして柔軟にしておくことをおすすめします。背骨のまわりの筋肉が温まり、後屈の準備になります。また、背中を反らせる動きでは、肩甲骨が背中で近づき、胸が開きやすい状態になります。

1.四つん這いになります。手は肩幅おり少し広めに、足は腰幅にしてつま先を立てておきます。

2.吐いて、腹筋に力を入れて、腰を守ります。

3.吸って、腹筋に力を入れたまま、背中を反らせます。肩甲骨を寄せ、みぞおちを正面に向けるように、また、目線をあげます。

4.吐いて、背中を丸めてお腹をのぞき込みます。

5. 3.~4.を繰り返します。

ポイント: 反るときに、腹筋に力をいれておくことと、肩甲骨を寄せるように意識すること。

では、ウシュトラ・アーサナで、腰を安定させて胸を意識して動かしてみましょう。

まず、脚やお腹の筋力を使って、腰を安定させましょう。腰が安定した状態で、肩甲骨を寄せ、胸を開くように背中を反らせると、腰に負荷をかけることなくポーズをとることができます。

1.膝立ちになります。
両脚と腰を体の中心軸に向かって引き寄せて、脚と腹筋に力を入れます。

2.手を腰におきます。体側を長く伸ばし、肩と肘を後ろにひいて、肩甲骨を背中に寄せます。 

3.胸の中心を引き上げながら、背中を反らせます。

ポイント: 土台を安定させ、背骨を長く保って、胸を開くことを意識しましょう。

プロプッスを使う場合

ブロック

脚やお腹に力が入らない場合、両脚の間にブロックを挟んでウシュトラ・アーサナを行いましょう。脚やお腹の筋力を上手く発揮できるので、腰が安定します。

1.膝立ちになり、太ももの間に、ブロックを挟みます。
このとき、両太ももでブロックを力強く挟むことで、脚やお腹の筋肉を活性化しましょう。

2.手を腰におきます。体側を長く伸ばし、肩と肘を後ろにひいて、肩甲骨を背中に寄せます。 

3.胸の中心を引き上げながら、背中を反らせます。

4.安定していたら、片手ずつ踵に手を下ろしましょう。

腰に負担をかけずに後屈のポーズをおこなうためには、まずは土台から見直してゆきましょう。どのアーサナにおいても、大地につく所から、確認していくことが大切です。

写真・文 ヨガインストラクター チエ/編集 ヨガインストラクター ユウ、七戸 綾子