ヨガインストラクターのミツコです。

クラスの始まりと終わりは、あぐらを組むことが多いですよね。あぐらのような座り方を、ヨガでは「スカーサナ(安楽座)」といいます。スカーサナでは、かかとはすねの真ん中あたりか、恥骨の前におく場合が多いです。

話を聞いたり、呼吸を深めたりと、スカーサナで、まとまった時間を過ごすため、膝が腰よりも高い、左右の膝の高さが違う、腰が曲がる、足首が痛い等、窮屈さ、不安定さを感じることもあるかもしれません。

なかでも、股関節の硬さや可動域について、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

元々の体つきや運動経験、ケガなど、理由はさまざまなだけに、即効薬はありませんが、工夫次第で、居心地は変わってきます。

自分の身体的特性を尊重しながら、「スカ(安楽、幸福、喜び)」へ近づけるよう、その一例をご紹介します。

1.イスに腰かける

骨盤を立てて座る感覚をつかむために、フラットな座面のイスに腰かけます。

脱力、緊張、前のめり、など、さまざまな座り方をしてみて、骨盤、腰、背中、肩、首、頭が、今どうなっているかを感じてみましょう。

力みがなく、緩みすぎてもない座り方が、骨盤が立っていると考えられます。

坐骨で座面を踏み、背すじは長く、頭頂部は、高いところへ。しばらく、その姿勢を保ち、感覚を身体に沁みこませます。

鏡やカメラを使って、自分の姿を客観的に見ることも有効です。

2.マットに腰を下ろす

マットの上に座りましょう。足の裏を合わせて股関節を開いたり、両膝をそろえて左右に倒したり、お尻をほぐすなど、重心移動も交えながら、坐骨の存在を確かめます。

では、脚を組んでみましょう。お尻と腿のお肉を、斜め後ろへ、かき出すと、坐骨がマットを踏みやすくなります。

いかがでしょうか。

イスで得られた感覚と、ほど遠いようでしたら、正座になる、脚をやや前に出す、体育座りになる、等、骨盤が立つように、 膝の角度を変えてみます。

プロップスを使う場合

ブロック:

ブロックの使い方は、大きく分けると、以下のようになります。
・乗る  
・支えにする  
・挟む  
・持つ  
・乗せる

目的や用途に応じて、硬さや大きさを選ぶといいでしょう。

今回は、「乗る」ので、やや柔らかめをおすすめします。足首への負担を減らしたい方には、大きいブロックが向いています。

さあ、いよいよ、ブロックを手にして、お尻の下に置きます。

そして、何度も繰り返してきた、骨盤を立てる感覚の再現にトライ。
ー坐骨は、ブロックを踏んでいるでしょうか。
ー背すじは、長いでしょうか。
ー頭頂部は、上に伸びているでしょうか。

違和感があったら、角度や位置を、微調整しましょう。

個人的には、ブロックの前の縁に、坐骨を引っかけるようにすると、安定します。

とはいえ、人それぞれ、体つきは違うので、自分の感覚を大切になさってください。

日常生活において、床や畳に腰を下ろす機会は、少ないといわれています。

スカーサナは、目の高さが変わり、地面とつながっていることを思い出させてくれるポーズ。

あなたのスカーサナが見つかることを、応援します!

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|参考文献
studio yoggy/スタジオ・ヨギー(2006)『はじめてのNYスタイルヨガ』株式会社ナツメ社

イラスト・文 ヨガインストラクター ミツコ/編集 七戸 綾子