お悩み:
目の前の事だけに振り回されてしまう人に、大きな視野で物事を捉えてもらいたいのですが、どのようなアドバイスを送ると効果的だと思われますか?

答えのヒント:
仕事のシーンで目先のことやデッドラインが気になって焦る気持ちや、抱えている仕事量に押しつぶされそうになる気持ちはよ~く分かります。

同僚や部下はもちろん、たとえ相手が上司であったとしても何かしら助けることは可能でしょう。しかし相手が余裕を持てるようにと、言葉で「大丈夫だよ」と伝えても、相手の耳に入らないことは想像できます。

そんな時、その状況で 何が一番優先されるべきかをそれとなく伝えることはできますね。そしてそれが伝わらない場合は、最悪どんな結果になるかを一緒に考えてみる。時には「最悪な状況」はそれほど致命的ではないこともあります。

そう言えば、僕が子どもの頃は子どもには抱えきれないことを抱え込んで心配する癖がありました。時には眠れない夜もありました。そんな中で、大きな波に飲み込まれそうになっている自分に最終的に言い聞かせていた言葉があります。

「死ぬわけじゃない」

もちろん自分が死ぬわけじゃないし、誰かが死ぬわけじゃない。

この言葉が出るのは、自分自身の心配性に疲弊している時です。極端な表現かもしれませんが、最悪な状況って人の命に係わることにまでは及びませんよね。もちろん、医療現場のような深刻な場面以外での話です!

目の前のことに振り回されそうになる僕の癖は、今でも顔を出します。実は言葉によるアドバイスはあまり効力がないようです。大人になってから僕にとって救いだったのは、楽観的に物事を捉える人の存在でした。

同じ状況を共有していても、僕がはらはら焦っている時に「なんとかなりますよ~」と笑い飛ばせる同僚を見たときに、同じ状況でも経験が違う事にはたと気付きました。

つまり相手が理解できない時に効果的なのは・・・お手本を見せること。あなた自身が物事を大きく捉えるところをお手本として見せるのです。その上で複雑に見えることから大切なことを見出すことや、時間の捉えかた、懐の大きさを見せられれば良いでしょう。

具体的に取り組む場合は、仕事を時間軸に落として優先順位をつける。それぞれのデッドラインに沿って計画的かつ効率的に仕事を進める。必要以上に焦らない。「時間は十分にある」ことを見せる。そして丁寧に仕事をこなす。

仕事量や時間の長さはその人の測り方で増えたり減ったりします。そして最悪のケースは・・・誰も死なないし、なんとかなるものなのです。私たちは今までもこのように生きて来た筈です。(笑)

僕が今でもドキドキしたり、せかせかしたりする時は、身近にいる時間をゆっくり使うどっしりした人を思い出し、「焦る必要はあるか?」「自らストレスを増やす必要はあるか?」と自分に問いかけ、同時に「時間は十分にある」と言い聞かせます。

あんなに心配性だった子ども(僕)は時々焦りながら、でも結構楽天的に生きています。

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文 ヨガインストラクター ヤスシ/編集 七戸 綾子