心と体をととのえる
第三夜
ちょっと一息つきませんか
深呼吸するのも惜しいぐらい忙しいですか
それとも、なにか気になることがありますか
心と体をととのえた人には、もれなくいいことが起こります
ふっとゆるんだときのほうが、いい考えだって浮かびます
もしそれを5分後まで延ばしても大丈夫なら
やることも気になることも置いて
ちょっと一息つきませんか
背筋を長くのばします
おなかに手のひらをあてて
な
に
も
し
な
い
で
い
る
と
呼吸に合わせて
体のどこかが動いているのがわかります
ふ く ら ん だ り
しぼんだり
吸う と 吐く のあいだに
沈黙 と 空白 をみつけて
がんばらないのは
むずかしいかもしれません
がんばるとしたら
も
っ
と
気
持
ち
よ
く
な
る
よ
う
に
「あんなこと言われた」とか
「お腹が空いた」とか
心と体が話しかけてくるかもしれません
やさしく目を閉じて
そのまま聴いてあげましょう
・・・・・・・・・
第四夜 本来の価値に気付く
こんばんは。第三夜のキーワードは「心と体をととのえる」でした。
いかがでしたか?
心と体は、なにか話しかけてきましたか?
ひとさし指で、しゅっしゅっしゅっと読みとばしちゃった方も、ほんのちょっと呼吸に意識を向けてみませんか。このページを全部読んでからでも大丈夫です。呼吸や瞑想に気が向かなければ、このにじみ絵をぼーっと眺めるだけでもぜひ。描いてくださった内田松里さんの声をお届けします。
◯真夜中に起きて考える。読めば読むほど、描くことない。なのに何か描かなきゃいけない。何描こう……たしかに深呼吸する間もなく忙しい。気になることだらけ、ほんまやることも気になることもぜーんぶ置いて一息つきたいよ。ことばにゆだねてみるか。
目を閉じて、まぶたの中に見えるもの
深呼吸したら、お腹が空いてる自分に気がついて
そのままの自分、聴いてみよう。
真夜中だけどいいや、スープ飲んじゃえ。
自分を楽に開放して、目を閉じて、ゆるんだら…思い浮かんだんです色彩が。そうやん、何も描かなくていいんや!って。そのままウキウキしながら寝て、朝起きて、子どもと一緒ににじみ絵しました~。ゆっくりゆっくり色と遊んで、癒されました。私なりにですが、心と体をととのえたら、もれなくいい時間を味わえました。
——内田松里さん
昔の私は、今よりさらに欲張りだったので、できるだけ効果がありそうな方法、みんながいいと言っている方法、ちゃっかりお得な方法で、心と体をととのえようとしていました。でも、どんなにスバラシイ方法でも、自分が「いい気分」にならなかったら遠回りだったんですね。そういう当たり前のことになかなか気づかなくて。
「いい気分」というのも単色ではなく、いろんな色が流動していて、落ちつきたいときもあれば、わくわくしたいときもあります。感じたい色によって、やりたいことも変わってくるのかなと思います。あなたは、今、どんな色ですか? これからの日々をどんな色で過ごしていきたいですか?
よかったら私たちにも聴かせてください。おたより募集してます。
第一夜「可能性を広げる」、第二夜「生きている感動を積み重ねる」に届いたおたよりをご紹介します。みなさん、ありがとうございます。
◯両極を行ったり、きたり。様々、受け入れる器があるって素敵だ。静けさがもたらされました。
——butterfly zzzさん
◯目の前が広がっていくような爽やかな風が吹いたよ。
——きょんさん
◯可能性の話で、息子が生まれた時に私の祖父が「ゼロ歳やから何にでもなれる100%だ。いい目ををしてるから俳優か?」なんて言ってたのを思い出した。なりたいものがみつかるといいなと思ったけど、本当に俳優になりたいと言われたら全力で味方になれるかしらとちょっと不安にも思ったなあ。たくさんの人を見てきているおじいちゃんに目がきれいだと言われたのは素直にうれしかった。
——ハルとハレ
◯第一夜を読み、感想が書けぬまま第二夜を読みました。なんか、自分なりに色々考えてしまった。私は自分があまのじゃくで捻くれ者なので、読んでて何だか言葉がキラキラ眩しくて、ちょっとうしろめたくなってしまいました。自分の枠もある程度決めてるし、相手が喜びそうなことを頑張って言うし、一瞬の風はたくさん見逃している。10個やりたいこと、やらなきゃいけないことがあるのに9個放ったらかしで1個をちゃんとするのが精一杯。まあいっか、今さら自分を変えられないよなあと諦めてしまっています。
こういうのを守りに入ってるというんだろうねえ。日々を“問題があまり起こらないように”過ごすことにあまりにも時間をかけすぎているのかな、つまんないなあ、だからっていきなり何する??ってなことを考えて心がちょっぴり痛くなりました。
——ヒコロロタさん
◯毎回なるほどな〜とゆっくり読ませてもらっています。何も考えないまま1ヶ月過ぎてたことに気づいてびっくり。
——スミさん
同じキーワードでも、そこから広がる心の中の風景は人それぞれ。感じてはいけないことなんて何もないと思いました。長すぎるかな、短すぎるかな、ずれてるかな……ふさわしいかどうか、正しいかどうか、お役に立てるかどうか……何も心配しないで、読んでパッと浮かんだこと。最初の気持ち。そんな素の声を聴かせていただけるとうれしいです。
今月はどんな1ヶ月でしたか?
いろんな人のいろんな日々に「わたしにかえる時間」がありますように。
イラスト 内田 松里/文 古金谷 あゆみ