手足の4点で体を支え、両肘を曲げるチャトゥランガ・ダンダ・アーサナ(四点杖のポーズ)。太陽礼拝にも入っているアーサナですが、
・体のラインを一直線に保ちながら、前腕(手首から肘まで)が床と垂直になるように肘を曲げるのが難しい。
・肩を引き上げてと先生に言われるけれど、今どうなっているのか、どこが自分の最適な肩の位置なのかが分からない。
などのお悩みをよく聞きます。

チャトゥランガ・ダンダ・アーサナは、体幹部の安定が必須です。このアーサナでは、脊柱・骨盤・肩甲骨をニュートラルな位置に保つように、腹筋・背筋はもちろん、脚の筋肉も十分に働かせなければなりません。

太陽礼拝では、ファラカ・アーサナ(プランク・ポーズ)から移行するアーサナなので、まずファラカ・アーサナで体を一直線(肩の下に手首を置き、頭頂からかかとまでを一直線)に保てるように、体幹部を安定させる練習を行いましょう。
(※下記、ウォーミングアップ5参照)

まだ十分に体幹部を安定させられないうちは、膝をついて上半身の使い方を意識しながらチャトゥランガ・ダンダ・アーサナの練習をしましょう。

ところで、なぜこのアーサナで前腕を垂直に曲げる必要があるのでしょうか。

肘が鋭角になっていてもアーサナは出来ていると感じる方もいるかもしれません。では、家を建てる時の柱をイメージしてみてください。柱がまっすぐ垂直に立っていたら、屋根を乗せても柱はなんなく屋根を支えます。それがもし柱が斜めに立っていたとしたら、屋根を乗せたときに支えきれずに柱は屋根ともども崩れてしまいますね。

これを体に当てはめると、前腕が垂直になっていると肩も最適な位置に保っていられるので、安定したアーサナが行えますが、肘が鋭角に曲がっていると不安定な状態で体が前に傾くので、肩は下がって反対に腰が持ち上がり、結果的に手首や肘に必要以上の負担がかかる、という悪循環が生まれます。そして、その状態を続けることで不調が起こることも考えられます。そうならない為にも、前腕の位置を垂直に保つ必要があります。

また、チャトゥランガ・ダンダ・アーサナで目立つ動きがあるのは、今回のテーマである上半身の肩回りです。しかし、このアーサナは肩や腕の筋肉だけを働かせているわけでなく、縁の下の力持ちのように体を一直線に保っている腹筋や背筋、脚の筋肉の働きも重要です。つまり、全身を使っていることになりますね。体幹部を安定させる練習をお勧めしたのはそのためで、本来ならこちらの方に力を入れて練習すべきかもしれません。

今回は肩・腕のお悩み解消にフォーカスします。ヨガ用のベルトとブロックを使って、自分の最適な肩の位置を見つけて練習する方法をご紹介したいと思います。

まず、チャトゥランガ・ダンダ・アーサナで起こりがちな体の状態をみてみましょう。
1. お腹が床の方に下がっている
2. 腰が反っている
3. 前腕が鋭角になっている
4. 肩が床の方に下がっている

1.は体幹部(腹筋群)がまだ安定していないことが考えられるので、膝をついた状態で練習をしましょう。2.~4.は同時に起こることが多いです。どの状態であっても、体幹部を安定させるアーサナの練習も同時に行ってください。
(※下記、ウォーミングアップ5.参照)

今、自分がどんなチャトゥランガ・ダンダ・アーサナを行っているかわからない方は、鏡を見たり、写真や動画を撮って確認されるのも良いでしょう。どこに意識を向ければより良くなるかが、明確になると思います。

では、練習に入る前の準備として、ウォーミングアップをしましょう。

準備するプロップス

ヨガベルト 1本

ウォーミングアップ

1.肩のストレッチ
ヨガ用ベルトを使って、肩を回してほぐす。(タオル、バスタオルでもOK)

2.肩回り・背中をほぐす
四つ這いになって、キャット・アンド・カウ/5セット位。

3.手首をストレッチする
指先を膝の方に向けて、手首をストレッチ。

4.太陽礼拝簡易形:ターダ・アーサナ(山のポーズ)からファラカ・アーサナ(プランク・ポーズ)まで行い、アドー・ムカ・シュヴァーナ・アーサナ(ダウンドッグ/下向きの犬のポーズ)からターダ・アーサナまで戻る。/3セット位。

5. 体幹を安定させるエクササイズをして、腹筋に意識を向ける。
a. アドー・ムカ・シュヴァーナ・アーサナ⇔ファラカ・アーサナを繰り返す。/3セット位。

b. パリブルーナ・ナーヴァ・アーサナ(舟のポーズ)⇔アルダ・ナーヴァ・アーサナ(半分の舟のポーズ)を繰り返す。/3~5セット位。

c. 肘をついたファラカ・アーサナ/5~10呼吸ほどキープする。
※腹筋に意識を向けること、呼吸をすることを忘れずに。

では、プロップスを使った練習方法をご紹介しましょう。

準備するプロップス

ヨガベルト 1本
ブロック 2個(もしくは3個)

まずは、プロップスのセットの仕方です。

セットアップ
1.ターダ・アーサナで脊柱、骨盤、肩甲骨のニュートラルな状態を作る。

2.そのまま両肘を90度曲げ、腕の位置を確認する。
思っていたより下の方に腕があると感じるかもしれません。

3.ベルトを肘上にかけて幅を調整する。

4.四つ這いになり、ブロック2個をそれぞれ肩幅にセットする。

ソフトバージョンで体慣らし
1.四つ這いでブロックの後ろ側に指先を置き、手の基盤を安定させる。

2.つま先を持ち上げて尾骨を膝裏に向け、息を吸って背骨を長く保つ。

3.息を吐きながら肘を曲げ、ブロックに肩を近づけるように前方へ体を移動し、ベルトが上半身を支え始めたところで止まる。
※肘を曲げる時に外に向けて曲げていくと手首が捻じれ、手の基盤が崩れてしまいます。軽く脇を締めるように行いましょう。

4.息を吸いながら、体幹と腕を使ってプッシュ・アップ。腕を伸ばして元の位置まで戻る。

実際に行ってみてどうでしたか? ベルトが体幹部を支える補助をしてくれるので、肩周りも安定して下がらなかったのではないでしょうか。また、ブロックを置くことで体を前に進める感覚がつかみやすかったと思います。

ソフトバージョンが安定して行えるようになったら、フルポーズに進みましょう。

フルポーズで練習
ブロックとベルトのセットアップは、ソフトバージョンと同じです。

1.ベルトを肘上にセットし、3つ目のブロックを腿の間に挟む。(ブロックを使わなくてもOK。腿の間に挟みながらおこなうと、体幹を使う意識が上がります。)

2.アド・ムカ・シュヴァーナ・アーサナ(ダウンドッグ/下向きの犬のポーズ)になる。脊柱、骨盤、肩甲骨のニュートラルな状態を保ったまま、息を吸いながらファラカ・アーサナに進む。

3.尾骨を踵の方にむけて上半身のニュートラルを保ち、息を吐きながら肘を曲げ、前腕を床と垂直にすることを意識しながら前に進む。
進行方向に目線を向け、頸椎のアーチを保ち、ベルトが上半身を支え始めたところで止まる。(チャトゥランガ・ダンダ・アーサナ)

4.1~2呼吸キープし、息を吸いながら体幹を使ってプッシュ・アップし、ファラカ・アーサナに戻る。

5.ファラカ・アーサナから息を吐きながらアド・ムカ・シュヴァーナ・アーサナまで戻り、膝をついて休む。
※首が下を向くと、肩が下がりがちになるので、目線を進行方向に向けましょう。
首(脊椎)も背骨(脊柱)の一部です。体幹部を使って支えてください。

さらに慣れてきたら
1.ブロックを外して練習する。徐々にベルトに頼らずにキープする。

2.1.がクリアできたら、ベルトを使わずに練習する。

今回は肩・腕の位置にフォーカスしていますが、前述したようにチャトゥランガ・ダンダ・アーサナでは体幹部の安定が必須です。体幹部を安定させるアーサナの練習も続けてくださいね。

体の変化には時間がかかりますが、アーサナに意識的に取り組むことで、変化は少しずつでも確実に起こると思います。クラスを受ける時や自己練習をする時に、意識するポイントを思い出して行ってください。

ヨガは実践することが大事です。日々の練習を楽しんでください!

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文 ヨガインストラクター リツコ/編集 七戸 綾子