イシュタヨガってどんなヨガ?
1.イシュタヨガってどんなヨガ?
日常生活の中で自分らしいバランスを見つけながら生きるための、ひとりひとりの「わたし」のためのヨガ、だと思います。
クラスの冒頭に必ず、経験に基づいたヨガ哲学やアーユルヴェーダのお話があります。 頭の中の知識として知っている、というのではなく、それが日常にどう生きるのかということが基本にあります。
ヨガのクラスは、そのための意識の持ち方の練習になっているのだと思います。
Svadhyayat Ishtadevata Samprayogah
スヴァディヤーヤ イシュタデヴァタ サンプラヨーガハ
「自分を学ぶことを拠り所とすれば、個々の魂に共鳴する適切なヨガの練習、人生の目的、道が見つかる」
(『TANTRA OF THE YOGA SUTLAS』p61, Alan Finger)
「ヨーガスートラ(第2章44節)」の中にある「Ishta」という言葉が、流派の名前です。
それぞれが持つ個性を大切にして、自分の道へと歩みを進めていく。 自分を高めるための努力は必要だけれど、周りと同じことができるのが素晴らしいというものではない。それは、様々な流派でも言えることだと思うけれど、イシュタヨガではとても大切にされていることです。
2.イシュタヨガとの出会いをお聞かせください
ヨガを始めて10年くらい経って、ヨガインストラクターとして活動を始めた頃のこと。
長年通っていたクラスの先生が卒業されることになって、もう本当にどうしようかと思いました。それで、泣く泣く別のスタジオを探すことに。
ちょうど近くに新しいスタジオができたので、行ってみました。そこで出会ったのがイシュタヨガです。 先生の口から紡ぎ出されるヨガ哲学のお話が自然に内側に入ってくる。哲学は生きるためにあるのだということを感じられるクラスでした。
私はこのヨガを学びたい、と思いました。
ずっと教わっていた先生と離れることは寂しかったけれど、でもそれは、もう一歩踏み出すためのきっかけであり、イシュタヨガに出会うために用意された道すじだったように感じています。
心地よく生きていくために、体・心・そしてもっと高次の精神(魂、と言ったりしますね)、全体を通して自分のバランスを見つけていくクラスの流れがとても自然で、私にはとても合っています。
実は、イシュタヨガに出会う前、私は瞑想が苦手でした。なかなか集中できなかったり、眠くなったり。
イシュタヨガでは、呼吸と共鳴するようにマントラ(音)とヤントラ(視覚イメージ)に意識を向けるので最初にすっと集中できて瞑想に入りやすく、そんな体験が重なるといつの間にか瞑想が好きになっていました。 瞑想をどうやったらいいのか分からないという人にも、イシュタヨガおすすめです。笑
3.イシュタヨガは、動くことと、瞑想のバランスが良い気がします。それはなぜでしょう?
ヨガの本質は内なる静寂へとつながること。イシュタヨガの全てのクラスは、瞑想へ向かう(内なる静寂へとつながる)ためのもので、初心者でも上級者でも、それは揺らがない。
フィジカルトレーニングは効果も感じやすいし、やった感がある! けれど、そこで終わってしまってはもったいないですよね。もう少し先にこそ、ヨガを行うことの意味があるのだと思います。
アーサナを練習することは、筋力や柔軟性を向上させてくれると同時に、その練習の中で経験することは精神的な修練にもなります。また、体のバランスを整えることは、チャクラ(脊柱に沿って並ぶエネルギーセンター)のバランスを整えることにつながります。
そんな準備を経て、チャクラや脊柱に意識を向けて行う瞑想へ、静寂へとつながっていきます。
その日のテーマに沿うようにクラスを構成していますし、インストラクターの個性もまた大事にされているので、細かな決まりごとはありません。
私がイシュタヨガで学び始めて、すごくいいなと思った言葉が「スポッティング」。
一般的に「アジャスト」「アシスト」と言われる、生徒さんに触れたり口頭で行うアーサナの調整法のことです。
個性あるひとりひとりがアーサナと調和できるように、ピンポイントで修正するということと、その人に「スポットライトを当てる」という意味もあるのだと教わりました。
アーサナを練習するひとりひとりが主役です!
アーサナから呼吸法、瞑想へとつながっていく流れの中で、特別なアーサナやシークエンスはありませんが、安全なアライメントを個々の心身の状態によって調整できるように、アーサナの加減法を丁寧にお伝えしています。
オンラインでは難しいですが、可能な限り口頭でのインストラクションでクラスが進められます。そうすれば必要なスポッティングなどのサポートを、より良いタイミングで行うことができるからです。
参加される方は形を真似るのではなく、自身の内側に意識を向けやすくもなります。
かなり強度の高いアーサナを練習したとしても、クラスの終わりには心が静かに凪いでいく。そんな体験を大切にしています。
日々の暮らしの中でいろんなことが起こるし、心がざわざわすることは必ずあります。 でもそんな時、ヨガのクラスでの体験が自分を助けてくれていると感じます。
さようならの挨拶として、クラスの締め括りに唱えているマントラです。
Hari om, om tat sat.
私たちが、いつでも大いなる力とともにあることを忘れないように
お話し ヨガインストラクター ミユキ/編集 七戸 綾子