お母さんの宅配便 vol.1
「いっそ電話でも…」
――ライター 山根かおりさんの場合
「何度言っても懲りない」
――30代男性・会社役員の場合
「量がとてつもない生鮮食品にとまどう」
”私のことを思って”を通り越して、”自分が送りたいもの”が詰め込まれたその箱は、社会人1年目で心に余裕がなかったころはせっかくの母の気持ちに反抗して、お礼どころか「こんなの要らない!!」と電話したことも。母の気持ちは分かっていても、一人暮らしの冷蔵庫に入りきらない魚、野菜、そしてなぜか自家製鮭とば。さくらんぼ5箱を送ってきたことも。
お友だちにあげればいいと言われても田舎と違って近所付きあいもなく、タイムリーに2日以内にさくらんぼを配れる友だちなんてそうそういない。みんな忙しいのだ。今思えばもっと大人になって「ありがとう」といえばすべてが丸く収まったであろうに、どんどんエスカレートして量が増えるのが怖かった。
子どもができた今はありがたく頂戴している。相変わらず尋常じゃない量だし、クール便をケチって微妙な溶け具合で同梱されているものや、なぜか中目黒のお菓子(中目黒勤務なのに~)もあって逆輸入? 突っ込みどころは衰えず。脱水症状防止策の新聞切抜き記事や勝手にサンプル請求した健康食品などの健康系のアイテムは100%入っています。
――きくちゃん・第1子の産休育休から復帰したばかりの会社員の場合
お母さんの宅配便 Vol.2は、こちら。
切り絵 辻 恵子/企画・構成 Art of living magazine編集部