「新」のつく野菜たち
vol.8
新じゃがいもは水分が多めで皮は薄いので、たわしでこすれば取れてしまうほど。皮のまま茹でてからポテトサラダに。小さい物はそのまま揚げても。
新たまねぎは、地上の葉が枯れるのを待たずに収穫したもの。葉が枯れてから収穫し、吊るして乾燥させたものが、良く知っている玉ねぎ(黄玉系)。白っぽいのは白玉系という別品種で、乾燥には向かないそうだ。ゆえに、痛みやすいので早めに食べきる。ポテトサラダに、厚めにザクザク切ったものをじゃがいもと同量くらい入れるのがおいしい。
新にんじんは越冬して春に収穫されたもの。やはり瑞々しいがしなびやすい。千切りにして、キャロットラペやナムルなどのサラダにして食べたい。
新キャベツは春用の品種で春キャベツとも。ぎゅっと詰まった寒玉系と呼ばれる冬のキャベツに比べ、巻きがゆるく、まるでレタスのよう。生食かサッと火を通したくらいで食べたい。
新ごぼうは、秋まで待たずに収穫してしまうもの。聞き慣れないが、夏ごぼうとも言う。透明感がありやわらかいので、サッと茹でて和え物に。
新にんにくはピカピカ生まれたての赤ん坊みたいだ。刺激もやわらかい。薄皮には赤紫色が混ざり、薄皮は厚めでぴとぴとしている。あまりの美しさに、わたしはしばらく飾っておいたりする。
新しょうがは柔らかで、ミョウガの香りもある。真っ先に思いつくのが甘酢漬け。わたしは自分で作るのが一番だと思っている。作り方はいたって簡単。材料は新しょうがとその半分の量の酢、そのまた半分の量の砂糖。薄くスライスした新しょうがに塩を適量まぶし、しばらくおく。水分が出たら絞り、酢と砂糖を加え、保存瓶に入れる。翌日から食べられ、半年くらいは保存可能。春から秋口まで出回るので、名残の秋に半年分を作って保存するとよい。
新は新でも新れんこんは夏の終わりから。
写真&文 中村 宏子