決して主役にはなれないけれど、食卓の名脇役といったおもむきのおろし和え。もう一品欲しい時には頼りになる。大根おろしに合わせる具材は何でもいいわけではない。意外と選り好みをする保守派。あまり変わった物よりも、地味でも慣れ親しんだ具材が一番。

青菜なら小松菜、ほうれん草、春菊、三つ葉や水菜は生でも。きのこは軽く茹でるか、網焼きする。大豆製品の油揚げ、厚揚げ、納豆。海藻チーム、海苔、わかめ、塩昆布。魚チーム、じゃこ、干物の魚、ギリギリでツナ。サーモンとかいくらになると、ちょっと方向性が違う気がする。肉も合うには違いないが、ここでのおろし和えのジャンルからは外れてもらいたい。

味付けはしょうゆかポン酢が基本で、米酢、柑橘類果汁各種、出汁などで広がりを。香りの物を加えるなら、細ねぎ、柑橘の皮、七味唐辛子など。全体を均一にするよりも、まだらな感じの(白い部分が残る)方がおいしそうに見える。

まずは、小松菜、海苔、しょうゆあたりから初めて欲しい。母はよく、大根おろしに生卵、しょうゆ、海苔を合わせていたが、これはおろし和えと呼ぶのだろうか?卵黄は間違いなく美味しくなりそうだ。

写真&文 中村 宏子