食器棚が飽和状態なのもあって、しばらくは食器を買い控えていた。とは言え、欲しい物があったのに泣く泣く我慢していた訳ではなく、ただ出会わなかっただけなのだが。昨年を思い返せば、新しく買ったのはコーヒーカップが2つ。それも、縁が欠けても使っていたカップの把手がついに取れてしまい、必然的に買い替えたのだった。

先週末、古道具の蚤の市で見つけた気泡の入ったコップ2個、印判の小さいちょこ、豆皿3枚。他に笊と大きなしゃもじ。コップでワインを飲もう、ちょこでアイリッシュウイスキーをちびちび、豆皿には梅干しやスパイス塩、と想像して買う。

民芸雑貨店の新春セールに立ち寄って、セール品でない瀬戸の深皿を2枚買ってしまう。おでんの多いこの冬、取り皿としてすでに大活躍してくれている。灰釉が使い込むうちにいい色になって行くのが楽しみである。

写真家・西川治氏の、『世界で集めた食器バザール』で買った、22cmのスペインのカスエラ(耐熱陶器)。軽い煮込み料理やグラタンが合いそうだが、イメージしたのはりんごのクランブルやプリンのような素朴な焼き菓子。さぞや、おいしそうに見えることだろう。

1月のひと月間に買ったものたち。出会うときは立て続けに出会うものである。

写真&文 中村 宏子