先月あたりから、店頭にお目見えのグリーンピース。春を知らせる食材の一つだ。グリーンピースは青えんどうの未熟の種子で、熟したものは乾燥させてうぐいす豆や塩えんどうの原料となる。ちなみに、赤えんどうはみつ豆や大福に入っているあれである。

シュウマイやカツ丼、天津飯の彩りとしては定番だが、本当の旬はこれから初夏にかけて。生で出回るのはこの時期だけで、ほとんどが冷凍や缶詰に加工されるそう。なるほど、冷凍や缶詰のグリーンピースは粉っぽいから、苦手な人がいるのもわかる気がする。生のグリーンピースのご飯を食べたら、グリーンピース嫌いを返上出来るかも?

グリーンピースご飯の作り方はもう、説明もいらないくらい簡単で、2合(360cc)のお米に、水が2カップ(400cc)、塩小さじ1、グリーンピースを100〜150g(サヤの状態で200〜300g)入れて普通に炊飯する。グリーンピースは空気に触れると劣化しやすいので、必ずさやに入ったものを買い求める事はもちろん、サヤから出したらすぐ、水に浸けておく。

お次ぎは、グリーンピースと真鯛が出会ったアクアパッツァ。鯛、メバル、カサゴ、イサキなどの適当な大きさの白身魚か、タラやスズキなら切り身でも良い。魚はうろこと内蔵を取り除きよく洗い、塩を気持ち強めに振っておく。フライパンににんにくのみじん切り1/2こ分、唐辛子1本、オリーブ油を入れ火にかけ、水気を拭き取った魚を入れ両面焼く。表面だけで、中まで火を通さなくても良い。そこへ魚が半分浸かる程度の水とグリーンピースとミニトマト(共に好きなだけ)を入れ蓋をし、弱火で15分ほど蒸し煮にする。味を見て、塩、こしょうで調える。盛りつける時にトマトの皮は取り除く。

白ワインもあさりもオリーブも入っていないけれど、グリーンピースとトマトで十分おいしいアクアパッツァ。残ったらパスタのソースにしてもおいしい。

写真&文 中村 宏子