野ぜりでナムルとチヂミ
vol.54
元々は同じだろうと思われるが、茎が長く伸びたいわゆる「せり」と「野ぜり」は見た目がちょっと違う。前者は栽培されているもので、休耕中の田んぼやハウス栽培されるのに対し、野ぜりはあぜ道や小川に自生しているもので、丈も短く自由に育った感じがする(計画的に栽培されているのもあるのだろうが)。
野ぜりの強い香りを楽しむなら、やはりおひたしかナムル。塩を入れた湯でサッと茹でるのだが、ずいぶん量が減ってしまう。が、こういう香りの強い物は少量で十分なのだと、思い直す。水をよく絞ってから、3cmほどに切っておひたしにするか、ごま油、しょうゆ、白ごまで和えてナムルにする。
写真&文 中村 宏子