酢×酢
vol.55
さて、うちにある酢と言えば、米酢、鹿児島の黒酢、中国の黒酢(鎮江香醋)、りんご酢、ワインビネガー(赤)、バルサミコ酢、シェリービネガー。梅干しを漬けた時の副産物の梅酢もあって、これはどのグループに入るのだろう? 塩がずいぶん入っているから果実酢に入れていいものか? と調べてみたら、酢酸が含まれない(梅の酸はクエン酸)ので醸造酢ではないようだ。
酢の健康効果も色々と実証されているようで、腸内の善玉菌を増やし便秘に効く、内臓脂肪を減らす、血圧を下げる、食欲増進、糖と一緒に摂取すると疲労回復に効くなど。料理においても、殺菌効果、減塩、魚の臭みを取る、ごぼうなどのアクを抜く、肉を柔らかくする効果などがある。酢を飲むと体が柔らかくなる、というのだけは迷信らしいが。
「酢好き」はちょいちょいと、入れなくていいようなところにも、よく酢を使っている。おひたしや炒め物、煮物。酢は長く加熱すると酸っぱさが飛んで旨味に変わる。以前TVで「複数の酢を使うと相乗効果でおいしくなる」と言っていたのをそこだけ覚えてしまい、信じて疑わない。何の料理だったかも忘れているけれど、確かにその通りだと思う。
写真&文 中村 宏子