1年ねかせた味噌の味
vol.4
できあがった味噌は容器に詰めて、途中、天地返し(全体を均一に熟成させるため満遍なく混ぜる作業)を行ったら、あとは熟成を待つ。仕込む時期や麹の量、食べる人の好みにもよるが、仕込んでから半年~1年くらいが食べごろとのこと。1年を過ぎると味が落ちるという人もいれば、巷には5年熟成味噌なんてものもあり、素人のわたしにはよくわからない。センセイは先ごろ小分けしたというが、だらしのないわたしは「そろそろ開けな~」といい続け、気づけば13カ月も放置(ポジティブにいうと熟成)。
こうなると、今からでも翌年の分を仕込みたい。聞きかじった情報によれば、味噌づくりは、雑菌が繁殖しにくい1月から3月におこなう寒仕込みが主流。だいぶ暖かくなってきているので、やはり気になるのはカビのこと。味噌づくりにはつきものといわれるこのカビ、わが家も天地返しの際にごっそりすくい取ったが、害はないらしいので広がらないように取り除けばOK。
味にうるさい夫も「これだけ美味しくできるなら、麦味噌もほしいなあ」といい、わたしは、大豆と塩だけでつくる東海地方の豆味噌が気になっている。よその家の自家製味噌を食べ歩いてみたいなんて野望もふくらむ。一人で仕込むより大勢で混ぜたほうが、みんなの手の菌が入って美味しくなるという話も聞いたので、食いしんぼうを募って近々、今年の味噌づくりを開催する予定。
写真&文 松田 可奈