3月11日の震災後、東北のお母さんたちを笑顔にした手仕事
OCICA つむぎや代表 友廣裕一さん
お母さんたちに本業が戻ってきた
必要に応じてチームを結成したので、必要がなくなれば、解散するのが本来のかたちかもしれないな、とは思っていました。ところが、ご高齢でとか、もう養殖の仕事に戻らない、というお母さんが、OCICAづくりを続けたいということで、細く長く着実に続いていくかたちを模索しました。運営管理コストをミニマムにして、お母さんたちに担ってもらう仕事の範囲も広げることで、少人数で続けられる体制づくりをチャレンジ中です。
OCICAづくりを体験した方によって、取扱店が増えていった
ニューヨークのグッゲンハイム美術館のミュージアムショップでも売ってたんですけど、それも人づてにつながった方から「この商品は絶対美術館で売ったほうがいい」って何回もかけあってくれたんですよ。みんながそういうふうに可愛がってくれる、当事者性を持ってくれる、おもしろいプロダクトだな、と思っています。
“ものをつくる”ことには、癒しの効果がある
震災で、津波もあって、「あたしなんかが生きててよかったんだろうか」とネガティブなことを考えてしまう人もいた。いろんなボランティアのひとが来て、「あなたは大事ですよ」「生きててください」と何百回言ってくれても、ひとりから「ありがとう」とか「これ、かわいいですね」とか、言われる方が、希望や勇気につながっていったんだと思う。
与えることで与えられる。基本ああいう状況だと食べ物とかお金とか、支援というかたちで与えられることばかり。よかれと思ってやるんですけど、そればっかりだとけっきょく、与えられた側のひとたちは本当の意味での幸せとか、よろこびみたいなのを得られない。人ってほんとうは与えられるよりも与えることのほうが、本質的なよろこびにつながるんだなということを、お母さんたちを見ていて感じました。
OCICAを通じて友廣さんは、今この時代に必要とされる仕事のあり方や、生き方というのを、かたちにして示してくれた、と思いました。本業に戻ったお母さんたちも時折、OCICAづくりの場「牧浜 集会所」に顔を出して、お茶っこをしていくそうです。
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復興への願いを込めて「OCICA」を、スタジオ・ヨギー全店で限定販売します。
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取材・七戸 綾子